六大作家没後、伝統川柳は急速に衰弱の道をたどりはじめた。
その原因はいくつか考えられるが、その一つに時代背景の変化がある。
何ごとも固いものを嫌い、噛み砕くことをしなくなった食文化のように、難しい論理を嫌い、誰にでもよくわかることを優先してしまった「おかゆ文化」的な川柳が蔓延してしまったのはなぜか。
後継者、指導者不足。
六大作家は、それぞれの理念に拠って結社を作り、誌を立ち上げ、その理念を慕って集まった人々によって、川柳は爛熟の時代を迎えたのだが、彼らの没後、後継者は勢力争いの結果であったり、まるでPTA会長でも選ぶような民主主義の結果、まとめ役的な人物が選ばれたり、支配力のあるボス的人物が推されたりした。しかも、彼らは哀しいことに、結社の運営責任者としての自覚しか持たなかった。結社の代表として選者に招かれることだけを名誉として、創設者の理念を継ぐことも、新しい理念を掲げることもできなかった。
しかし、何といっても川柳停滞の一番大きな責任は日本川柳協会にある。
あっ・・もう出かけないと。

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