雪には縁のない町にも年に一度だけ2センチほど積もることがある。大抵が二月の終りか三月の初め頃なのだが、それが昨日積もった。たかが2センチでも馴れない町は大騒ぎ。車は路肩に落とし、橋の欄干に凭れ、僅かな坂でスリップ事故が続発する。
あいにくと、鳥取の皆生温泉の会議に出かけなければならない。無理をすれば運転できないことはないが、何かがあって、米子までの時間に遅れるわけには行かない。歩いて約20分。この分だと鳥取は大雪だろう。二日間の日程が思いやられる。
ところが鳥取は雪が降っていない。自然というヤツは気ままなものらしい。物知りによると、それにはそれなりの理由があるらしいが、そらそうだろう。雪だつて理由なく降っているわけではない。
今朝は五時過ぎの人影もない大浴場で天下をとったような気分でしばらく海を眺めて英気を養う。これは内緒だが、風呂上りの浴衣は下着をつけないほうがいい。勿論パンツもはかない。この開放感は一度覚えたら病みつきになる。胡坐をかくときには少々困るが浴衣の肌触りはなんとも言えない。
二日目の会議は気もそぞろ。「異議なし」「賛成」・・・。
土産を買う暇もなく目の前の特急に飛び乗って、岡山駅のレストランでワインを二杯・・すっかり疲れがとれての帰宅。

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