今日いただいた書籍。
「川柳さっぽろ」、俳誌「銀化」「雨情」、この誌は「バックストローク」に掲載する写真をお願いしているプロカメラマンの関係する俳誌で、あのシャープな前衛性を表現する写真家と、このやや古風な俳句誌との取り合わせが何ともおかしい。それに大阪から出ている「川柳文学コロキュウム」、そして何といっても圧巻は埼玉の俳人豊口陽子さんの句集「藪姫」。
静謐な詩空間に、生の迷路を漂う人間の真実の言葉による幻想化。あるいは「何処に帰りたいのか、本人にさえわからぬ脳中の迷路。しだいにその藪の迷路に翻弄されてゆく人間という生きもの。私はその救われぬ魂を抱きつつ今生をさまよわねばならぬ人こそ藪姫ではないかと思うに至ったのである」とあとがにに記す生の覚悟がどの作品からもじわりと滲み出す。
神鏡ぬぐえばひっそり映る異邦人
今日過ぎて指に吹かるる蛇の衣
背をたたくから夕焼けを吐かねばならぬ
石榴より降るメサイアその散乱
ガラス器に沈む半眼のさくら
書き出せばきりがないが、今夜はこの一冊に眠れそうもない・・・。

0