2020/1/5 | 投稿者: 鹿苑院

昨日見てきた。「男はつらいよ」シリーズは何度も見ているが映画館で見るのは初めてだから、制作が発表されてからずっと楽しみにしていた。

きっとあの懐かしい寅さんの唄声が聞こえてきたら涙を抑えられなくなるんだろうなと思っていたが、流れてきたのは寅さんのコスプレをした桑田佳祐の唄声。そりゃあ彼は当代随一の歌手には違いないし、それほどの大物がこれほどの大作映画に臨むのだから並々ならぬ気合なことはわかるのだが、言うちゃ悪いけど俺は桑田の物真似を見たかったわけではない。映画本編にも桑田は一切出てこないので彼が歌わねばならぬ必然性はまったく無い。桑田ほどの大物を動かしたのならギャラも安くないはずだが、それだけの金を払って誰が喜ぶとも思えない抜擢をしてどうするのだろう。蛇足の見本のようなものである。

現代の技術で遺された寅さんの映像を使って、新しく撮りおろしたドラマの中に寅さんを参加させるのかと思っていたらそうではなかった。基本的に寅さんは回想という形での登場である。
ほぼ満男が主人公の現代劇であり、寅さんは時折満男を見守るように霊のような形で現れる。ただし劇中で寅さんの生死については敢えて語られない。法事のシーンでおいちゃん、おばちゃんの写真が仏壇に飾ってあったことでその2人が故人なのはわかるが、寅さんの写真はなかった。これについては見る側の解釈に任せるという意図だろう。

期待していた作品とは違う。しかし、寅さんを見てきた者としてはやはり見ておくべき作品なのは間違いないし、見に行って良かったと思う。
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