2019/6/13 | 投稿者: 鹿苑院

銀行印を注文し終えたので、記念に世界一有名な印について書く。伝国の玉璽である。中国においてこれを持つ者こそが皇帝という、日本でいえば三種の神器のようなものだ。

ただ、三種の神器よりはゆるい扱いかもしれない。だって玉璽を持っていなくても皇帝を名乗った人はたくさんいるから。
日本でも南北朝の頃に北朝は三種の神器を持っていなくても天皇を名乗ったが、少なくとも手に入れようという努力はしていたし、その過程で偽物を掴まされたりもした。
中国の皇帝たちは特に玉璽を手に入れるのに血眼になった雰囲気はなく、「玉璽を持っていないからあの人は偽帝」という判断基準で語る文章を見たこともない。逆に袁術などは玉璽を手にして皇帝を名乗ったのに同時代人からも後世の人からもさんざん偽帝呼ばわりされて擁護らしい擁護がまったくない。水戸学で「三種の神器を持っていなかったから北朝は正統じゃない」と言い切ったのに比べるとえらい違いである。

伝国の玉璽は始皇帝が天下を統一した時に宝玉で作り、秦滅亡後も漢に受け継がれた。前漢が新に簒奪される時、玉璽をよこせとやってきた王莽の使者に王政君が怒りを露わにして投げつけたために一部欠けてしまい、これを金で修繕した。この修繕が本物の証とされるが五代十国時代に紛失されており、今でも行方はわからない。もっとも勝手にレプリカを作って代用品にした王朝はいくつかあるが。
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