2019/5/29 | 投稿者: 鹿苑院

妻と何か一緒に遊べるものがあるといいと思って、スタート将棋というのを買ってみた。ビギナー向けに将棋を簡単に覚えられるセットで、駒に矢印がついていて動きを覚えていなくても対局できるようになっている。これが意外とヒットで、僕もそんなにレベルが高くないからへっぽこ同士で白熱した試合になるのが楽しい。

「そんなにレベルが高くない」どころか僕などは駒の動かし方を知っている程度で、すべて我流で闇雲にやっているだけだから棒銀だの穴熊だのは聞いたことはあるが何のことか知らないという有様なのだが、やっと一つだけ覚える気になったのが美濃囲いである。

美濃囲いとは岐阜城の鉄壁の守りにちなんで織田信長が命名したという説があるが、どうやら俗説に過ぎずあまり信用している人はいないようだ。実際のありようは江戸時代の美濃出身の棋士が得意にしていたからというさほど面白くない話である。
ただ、やはり何か一つ戦法を覚えようと思った時に美濃囲いを選ぶ気になったのはやはり郷愁というものに違いない。今住んでいる所も美濃(岐阜県)ではあるが、同じ県とはいえさほど馴染みのないエリアなので、金華山と岐阜城が恋しくて仕方がない気持ちなのだ。
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2019/5/17 | 投稿者: 鹿苑院

司馬遼太郎の「国盗り物語」を読み始めた。この小説の面白さは知っていたが今までなかなか読み始めるには至らなかった。
そのわけは、家にあるのは文庫本ではないからただでさえ持ち運びに適していないうえに、祖父の遺品でもあるので汚損を恐れると尚更外出のお供にはしづらいからだ。

この5月12日から新居に引っ越した。この数年それに明け暮れていたように、休日ごとにお見合いやそれに続くデート(という名の布施行)のために電車に乗って名古屋に通う必要がなくなったので、家に座ってじっくり本を読めるようになった。そのためやっと「国盗り物語」を読めるというわけである。
もっとも今のところ新生活が始まって以来、連休の振替出勤のため休日が一日も与えられておらず、家にいても家事の分担などでせわしない。期待したほどゆっくりと本が読める環境ではないのだが、新生活に慣れてペースを掴んでくれば時間のやりくりも上手くなるだろう。
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2019/5/6 | 投稿者: 鹿苑院

なんとなくここの所の精神疲れを癒したくて、雄大な景色を見たくなった。思い浮かんだのが松本城だった。はるばる訪れてみると、天気にも恵まれ、期待通りの光景を見せてくれた。

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歩いてみて、松本城の良さは周りに高層建築がないことかもしれないと思った。例えば大阪城などはすぐ近くにそれよりも高いビルがあって興醒めするが、松本城の周囲にはそんなものはない。抜けるような青空と日本アルプスだけを背景とする爽やかさである。

ライトアップに惹かれて夜にも訪れてみたら、昼とはまた違った顔を拝むことができた。

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夜になると水に映る姿がくっきりとして写真映えする。
また、松本城といえば烏城と別名されるようにとにかく漆黒の城と言われがちで、なるほど昼間ならそう見えるのだが、夜になるとあながちそうでもないという印象になる。むしろ白と黒のツートーンと言うべきである。

あちこちの城ランキングで松本城が必ず上位に来るわけがわかった。なるほど国宝の名に恥じぬ。
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2019/5/1 | 投稿者: 鹿苑院

スペイン人が南米に侵攻した時、銀を大量に略奪して本国に持ち帰った。アメリカ大陸は銀の宝庫であり、とりわけメキシコ銀は中国にも流入して明・清の財政の基礎ともなるほど世界中を席巻した。
それまでは金と銀はほぼ同じ価値であり、時には銀の方が高い値がつく事もあったが、アメリカ大陸の発見による銀の大量産出により希少価値が下がり、金との間に決定的な価値の差がついた。今日ではシルバーアクセサリーは中高生の小遣いでも買える。石見銀山を巡って死闘を演じた毛利元就や尼子晴久が聞いたらどんな顔をするか知れない。

中には色の似た金属を銀と間違えて持ち帰ったスペイン人もいたが、融点が違うのですぐに間違いに気付き、その金属は用無しとして廃棄された。人類とプラチナの出逢いはかくのごとく幸福なものではなかった。

今日、結婚指輪を買ってきた。妻はずっとゴールドがいいと言っていたのだが、実際に現物を見て店員の話を聞くとプラチナに宗旨替えをしてしまい、結局は大多数の日本人がそうであるようにプラチナの指輪を買う事になった。
プラチナが金や銀より価値が高い貴金属だという事は理解しているのだが、歴史ファンとしては金や銀なら甲州や佐渡や石見の金山銀山、金閣寺や東照宮などのきらびやかな装飾に想いを馳せてその随想だけでご飯三杯はいけるが、プラチナという片仮名めいた名前の金属ではどうもそういう随想につながりにくい。
幸福な馴れ初めではなかった人類とプラチナが今は蜜月であるように、僕も今は何の感慨もないこの指輪に素晴らしい思い出を刻んでいければいい。

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