2019/1/31 | 投稿者: 鹿苑院

王朝時代の中国の官吏採用試験である科挙には八股文という特殊な文体が使われた。マスターするのが難しいが、科挙をパスする以外には使い道がまったくなく、使いこなせたからといって優秀な官吏となる能力があるということにもならない。
清初の大学者・顧炎武は「八股文は焚書坑儒より酷かった」と論じている。秦の始皇帝の焚書坑儒により生き埋めにされた儒者は460人に過ぎないが、八股文によって官吏になる道を絶たれた者は数知れないという理由である。

ここで考えてみると、現代日本人は王朝時代の中国人をまったく笑えないことに気づく。大学受験をパスする以外に使い道のない高校数学によって医学部受験に失敗し、医者になる道を絶たれた者もまた数知れないからだ。してみると人間社会の愚かさというのは時代が変わり所が変わっても簡単には改善されないものだということがわかる。

高校数学に関して、「こんなものが何の役に立つのか」と言った生徒に対して「こんなものすらできない奴が何の役に立つのか」と言い返した教師の話が上手い切り返しとして讃えられているのを読んだことがあるが、その言い方はもっと誰でもできるような簡単な物に対して用いるべきで、高校数学というのはそんなに簡単なものではない。その言い方を適用するにはあまりに難し過ぎる。その証拠に大学受験さえパスすれば理学部や工学部にでも行かない限りみんな忘れてできなくなるではないか。しかもそれで困ることもほぼない。

顧炎武を真似て言わせてもらうなら、さしずめ「高校数学は医学部の不正入試より酷かった」とでも言うべきか。
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2019/1/22 | 投稿者: 鹿苑院

NHKの金曜ドラマ『トクサツガガガ』がかなりの力作で見ていて引き込まれ、時間があっという間に感じた。この引き込まれ感の源はなんと言っても「共感」である。

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主人公は26歳のOL。一見優秀でまじめで女子力高いが、その正体は重度の特撮オタクであり、これを隠すために苦労している。
その趣味を毛嫌いする親からの迫害だとか、語り合える仲間は欲しいがそれが好きだというだけでからかわれるから友達にも言いにくいだとか、パンピーとのカラオケはみんなが知っている曲や歌手をまったく知らないから歌える曲がなく、できれば自分は歌わずにすませたいがそういうわけにもいかないから相当な苦労をするだとか…。

「これは俺をモデルにしているんじゃないか?」と錯覚してしまったぐらいだが、オタク(という言葉を自称としては使いたくないから革命的ブロードウェイ主義者同盟の理念に従って本稿では「趣味者」と呼称することにする)ならば同じ錯覚を持った視聴者はさぞ多かっただろう。このツイートがそれをよく言い表している。

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僕はまあ、特撮に関してはほぼウルトラマン限定、時々ゴジラが好きでそこそこ詳しい自負はあるけど、上記のような苦労をしてきた趣味とは声優アーティストのことである。
今は90年代や00年代と違って、水樹奈々が紅白歌合戦の常連になったりして声優アーティストが好きだというのはさほどニッチな趣味ではなくなっているのだが、個人的には多感な青年期に散々な仕打ちを受けてきたので、安全性が確保されていなければ自分がその趣味者だと言う勇気はない。だから婚活で相手女性に好きな音楽を聞かれると非常に困りながら「ジャズ」などと答えたりしている(一応ウソではない)。
ただ、自分が学生だった頃は散々だったのに、大人になって大学の教員になってみたら大学生に声優ファンがたくさんいて、しかも隠してもいないということから時代が大きく変わったことを実感したのは事実だ。

この時にも書いたが、最近の若い子にとっては声優アーティストのファンだというだけでイロモノ、ゲテモノ扱いされるのが当たり前だった時代があったことは信じ難いことらしい。
「戦争を知らない子供たち」を目にするのは、迫害のない時代を求めて戦ってきた趣味者にとっては喜ぶべきことなのだが、茨の道を血だらけになりながら切り開いてきた我々先人への敬意を彼らに求めるのは贅沢すぎるだろうか。
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2019/1/20 | 投稿者: 鹿苑院

風邪で1日半欠勤した。インフルエンザではなかったのが不幸中の幸いだが、この風邪はそれはそれでたちが悪い。まず熱がたいして出ない。そのくせ不快になるギリギリのラインを狙ったような微熱で、夜中に悪寒で目が覚めるし一歩歩くごとに頭に響く痛みがある。のどは医者に言わせると真っ赤らしく、痰切れの悪い煮え切らない咳がしぶとい。
高熱がガンと出るのももちろん嫌だが、こういうじわじわと嫌がらせをしてくる風邪も嫌なものだ。
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2019/1/16 | 投稿者: 鹿苑院

関ヶ原の戦いの前哨戦で、西軍についた岐阜城主の織田秀信(信長の孫)は籠城を勧める老臣たちの言葉を却下して野戦に及ぶ。これに敗北してから籠城したがすでに敗勢は覆い難く、降伏開城となった。

野戦を選んだ秀信の判断を責める言論が多いが、籠城をせずに一歩でも外に出て戦うのは曽祖父信秀以来の織田家の伝統であり必勝法ではなかったか。信長も籠城の勧めを蹴って出戦し、桶狭間の金星をあげている。おそらく秀信の脳裏には桶狭間における祖父の輝かしい成功があったことだろう。

ましてや、寄手にはかつて岐阜城主だった池田輝政がおり城の構造を熟知している。籠城は最初から不利であり、野戦を選んだのは極めて合理的な判断だったと言えるのではないか。それで負けたのなら最初から籠城していても負けただろう。秀信の判断、間違いだとは思えない。
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2019/1/9 | 投稿者: 鹿苑院

冬だというだけであちこちで「ロマンスの神様」を聞かされるのキツい。歌詞聞いてるとムカついてくるんじゃあの男性蔑視ソング。
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2019/1/6 | 投稿者: 鹿苑院

新年早々、お江戸は銀座に出陣である。メインがみかしー、ゲストがみかこしのみかみかコンビ。正月にふさわしい豪華さではないか。二人とも美しく、可愛く、そして面白い! 俺もウィンナー食いたくなった!

帰り際には大手町の将門公首塚に参拝し、純米酒を奉納してきた。夕方の寒空にも関わらず参拝客は多く、公の慕われようがよくわかり嬉しかった。
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