2017/6/8 | 投稿者: 鹿苑院

古来より、茶の名産地は霧の深いところと決まっている。羊もラム(仔羊)がマトン(成獣)より美味いとされるが同じことで、茶も若い葉の方が美味い。日光を遮る霧が多いところなら光合成が抑制され、それだけ葉の生長が遅くなるわけだ。
理想的には山間で、しかもそれを川が貫くところがいい。宇治というのはまさにそういうところである。

先日、本願寺詣りをしてきたついでに買った宇治の煎茶を淹れてみた。
京料理は薄味というイメージがあるが実際にはそうではなく、食材の色を活かすために調味料の色が薄いだけで味はしっかり付いているものらしいが、宇治茶もそういう感じがする。一口でわかる強い旨みというものはあまり無いが、ただ薄いだけではない秘めた底力の強さがある。例えて言えばカーテン一枚隔てた向こうの手ごわい相手と闘っているような感じで、そのカーテンこそが宇治の川霧そのものであろう。
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