2015/10/29 | 投稿者: 鹿苑院

「志村けんのだいじょうぶだぁ」で、「今宵の虎徹は山本小鉄」の決めゼリフと共に登場した田代まさし扮する辻斬りが、通りすがりの老人(志村けん)に何度も斬りつけるのだが、まったく何の反応もなく老人はケロリとしたまま行ってしまい、おかしいな?と首をかしげながら自分の首筋に刃を当てると普通に切れて死んでしまうコントがある。

なんと現実にもこんな死に方をした人がいる。しかもこの上なく高い身分の人である。すなわち第87代・四条天皇。
宮中の廊下に滑石を敷いて、人を転ばせるいたずらを計画したものの、ワクワクテカテカしながら見守っていても誰も転ばない。おかしいな?と自分で廊下を歩いてみたら見事に転んで脳挫傷を起こし、享年12歳での崩御となった。

なお承久の乱の首謀者である後鳥羽上皇の血統が帝位に就くことを鎌倉幕府は認めていなかったのだが、四条天皇の崩御により非後鳥羽系の血統は断絶してしまい、やむなく後鳥羽上皇の孫にあたる後嵯峨天皇が即位することとなった。この後嵯峨天皇こそ南北朝分裂の張本人なのだから、遠因的ではあるが四条天皇のいたずらが日本の歴史に大混乱を招いたと言えるかもしれない。
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2015/10/28 | 投稿者: 鹿苑院

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金陀美具足は不思議な甲冑である。知らない人にこれは誰の甲冑だと思うか聞いたら、多くの人は「金ピカだから秀吉」と答えるだろう。しかし答えは金ピカを嫌いそうな家康なのだ。
もっともこれは若き日の家康のために今川義元が奈良の具足師に注文して作らせたものだというので、義元の好みによるものかもしれない。

金ピカというこれ以上ない特徴がある割に、形だけを見れば前立一つ無い、量産型ザクのごとく究極にシンプルな形をしているのも不思議な感覚を誘う。金ピカにした時点で予算オーバーしたとかだとおもしれーなと思うが、案外本当にそんな理由かもしれない。その装飾性のない質実剛健な形のおかげで辛うじて、家康の甲冑と言われてもまあ納得できんこともない。

なお、少し形は違うがまあ色違いと言って差し支えない銀陀美具足を家康の四男・松平忠吉が着用している。
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2015/10/25 | 投稿者: 鹿苑院

羽柴筑前守といえば99%は秀吉のことを指す。しかしまれにそうでないことがある。その場合、前田利家のことである。

秀吉は天下を掌握しつつあった頃から、羽柴姓を諸将に与えることで親愛の情を示す手を使っていた。むろん親友である前田利家も羽柴姓をもらい、しかも秀吉の後を襲って筑前守に任官したので晴れて羽柴筑前守というわけである。

同じ手は徳川家も使い、諸将に松平姓を与えたので前田も伊達も毛利も島津もみんな松平になってしまい、そういう文脈だと誰が誰なのか実にわかりづらい。
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2015/10/21 | 投稿者: 鹿苑院

難民受け入れを表明したメルケル首相への、ドイツ国民の批判が高まっているという。メルケル首相にしてみれば、難民を受け入れれば摩擦が起こることは百も承知だが受け入れざるを得ないのだろう。なにしろドイツにはヒトラーの歴史がある。他民族に対してちょっとでも冷淡な態度を見せれば、「ほら、やっぱりナチスを生み出した国だ」と後ろ指を指されてしまうことが目に見えているのだから。そんなわけでドイツは他のどの国よりも人道的でなければならないのだ。それはドイツが背負わされた十字架である。

この難民問題が起こるはるか昔からネオナチはいた。彼らは主にアラブ系移民の排斥を主張していたが単なる差別感情からそう言っているのではなく、雇用を奪われてしまう等の彼らなりの理由がある。
オレも子供の頃は「なんでアラブ系を嫌うの? みんな仲良くしたらいいじゃん」と思っていたが、日本国内のあり方を見ても世の中そう単純でないことがわかってきた。

ドイツは今、フォルクスワーゲンの不正で揺れている。同社およびその関連企業は大規模なリストラをせざるを得ないだろうし、そうなれば職がない人が街にあふれる。職を失ったドイツ人が明日パンが食べられるか不安な生活を送る中、難民がドイツ政府の援助を受けて平穏に暮らしていたらやはりドイツ人としては面白くないだろう。
不況と他民族への憎しみ…ドイツにとってはいつか来た道である。そう、第一次世界大戦の敗戦の後と同じだ。「歴史は繰り返す」というが、第二のナチスが現れないといいのだが。
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2015/10/19 | 投稿者: 鹿苑院

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安いくせにとてつもなく美味い缶コーヒーがあることを噂に聞いていた。それは「美山名水」というメーカーで、1本の値段は30円前後。ただし売られている所があまり見当たらないので飲んだことはなかった。Amazonでも売っているがそこまでして試したいとも思わなかったので今まで未経験だったのだが、職場の近くの業務用スーパーで25円で売られているのを発見した。

ちなみにオレは缶コーヒーが苦手である。なんかいがらっぽいようなえぐいような、絶対コーヒーはこんな味してないだろというわざとらしい味がすごく嫌なのだ。
しかしこの美山名水さんの缶コーヒーにはそれがなかった。嫌味がなくさらさらとした口当たりで美味しい。その秘密は社名の通り、名水を使っているかららしい。水が違うだけでこんなに味が違うものなのかと驚いた。こういう違いを見せ付けられると、趣味の茶も名水で淹れてみたくなる。
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2015/10/18 | 投稿者: 鹿苑院

5ヶ月をかけて計13巻を読み終えた。はっきり言うとそんなに面白くなかった。小説というよりは資料じゃないかと思う時すら時々あり、役職と人名の羅列で2ページほど埋まることはザラ。あれを読み飛ばさず全部律儀に読むやつはいないだろう。

鮎川兵馬という架空の人物が一応主人公っぽいが、何巻にも渡って登場しないので実質的には決まった主人公はいない。各戦場で一人単位のエピソードが語られて、その集合体がこの作品をなしているという感じだが、その一人ひとりが有名人でもないため印象に残りにくい。
ただ、不思議と読み始めると止まらない感覚があり、そういう意味では面白くないと言いながら心のどこかで楽しむ部分があったのかもしれない。

なお、鮎川兵馬の仇敵である三田村新蔵の伏線が回収されないまま完結している。『続 会津士魂』にも彼は登場するようなのでそこで回収されるのだろうが、続けて読む根気は今はない。
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2015/10/16 | 投稿者: 鹿苑院

ネット世論にはだいたいの場合、賛成できるケースが多いのだけど、2つだけまったく賛成できないことがある。公務員叩きと僧侶叩きである。この2つに対してはネット民は(実態を知らないくせに)不当に厳しい。

この記事参照。
えらく叩かれているが、この坊さんは当たり前のことを言っているだけではないか。
戒名(我が宗派では法名というが、本項では戒名に統一する)は仏教の教えに則って付けられるもので、従って仏教的な意味がなければならない。僧侶でなくてもちゃんと仏教の知識がある人が自分で考えるのならそれでもいいと思うが(オレはそのパターン)、その知識がない者が適当に漢字をツギハギして考えたような、仏教的になんの意味もなく由来も説明できないような代物を使わせろという方がおかしい。ネット民はキラキラネームを笑うくせにキラキラ戒名は認めろというのか。

だいたい、こういうスレになると必ず出てくる「高級外車を乗り回して風俗通いする、絵に描いたような生臭坊主」というのを見たことがない。ネット民の言い方だと世の中の僧侶の大半はそれらしいのに不思議なことだ。
人間は自分が勝手に想像したことをあたかも自分の目で見たかのように錯覚してしまうことが時々あるが、これはそれなのではないか。

なお、「タイやミャンマーの坊さんを見習えや 日本のクソ坊主ども」という書き込みがあるが、これは隣の芝は青いというやつで、上座部の僧侶の方がむしろ収入を布施だけに頼らねばならず、それで寺を維持していかなければならないので金にはシビアだったりする。それゆえに上座部寺院の拝観料は5000円ぐらいする所もある。
「上座部の僧侶はクリーン」というのも、勝手な想像を実際見たかのように錯覚したパターンに他ならない。
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2015/10/15 | 投稿者: 鹿苑院

日中戦争開戦、日独伊三国同盟締結時の日本の総理大臣は近衛文麿である。日本が戦争に負けるとA級戦犯とされたが、逮捕される前に服毒自殺している。

近衛文麿の評価はあまり高くない。五摂家筆頭近衛家の当主という家柄の良さはあるにせよ、能力の面ではからきしで、責任を全部誰かに押し付ける癖があった。

しかし、彼が自殺を選んだことは評価したい。いや、彼はあそこで自殺しなければならなかったのだ。なぜなら、近衛家の当主が外国人の手によって処刑されることなど前代未聞であり、日本の歴史がひっくり返るほどの大事件だからである。そうなる前に自殺してくれたことは近衛家、もっと言えば藤原氏の名誉を守る上で不可欠であった。

オレは必ずしも藤原氏という氏族に好意的ではないけれど、藤原氏が日本史の中で占める重要度は認めざるを得ず、それがアメリカ人の手で汚されなくて済んだことは不幸中の幸いだったと思う。
もっとも、ハト派であり、たいして罪のない広田弘毅がA級戦犯とされ死刑になったのは近衛文麿の代わりにされたという説があり、その意味では近衛文麿の自殺は広田弘毅にとってえらい迷惑だったことは否めない。死後も責任を他人になすりつけてしまった。
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2015/10/12 | 投稿者: 鹿苑院

元々クルマには興味がないのだが、今乗っているクルマも走行距離が10万kmを超え、来春には車検を控えていることでもあるし、そろそろ乗り換えを検討した方がいいかもしれない。

2歳になる甥がどこで覚えたのか「アクア、アクア」と騒ぐので暇つぶしにトヨタのアクアについて調べてみたところ、予想外に良いクルマだった。ハイブリッドカーにしては安いし、燃費の良さを計算すればさらに元が取れそうでもある。

アクアは今最も売れているクルマだという。そのつもりで観察してみるとなるほど街じゅう、石を投げれば当たるのではないかというくらいにアクアだらけである。まあよく売れているということはそれだけ良いと思う人が多いということだから、ハズレを引くことにはならないだろう。
オレはあの「新車の匂い」で気持ち悪くなっちゃうタイプなので、中古で探すつもりだが。
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2015/10/11 | 投稿者: 鹿苑院

多治見茶碗まつりに行ってきた。いわゆる陶器市の大規模なやつ。別段欲しいものはなかったが侘びた煎茶碗があれば(なければぐい飲みでも代用可)、買ってもいいかなというぐらいの気持ちで行ってみた。

油滴のぐい飲みが目を惹いた。平茶碗のような形のものと丸っこい汲出茶碗のような形のものがあり、見た目の好みでいえば前者だが実用性でいえば後者という迷いに捉われた。
多治見という所は古田織部ゆかりの地で「へうげもの」で盛り上がってもいることだから、「渡り四分に景六分」という織部イズムに敬意を表して後者を選んだ。すると、「迷っていたのはこれでしたね」と前者の商品の傷が付いたものをタダでくれた。こういうのがこういうイベントのうれしい所だ。

油滴は唐物の一形態なので、いわゆる美濃焼の典型とは言い難い。「おや、こんな所に油滴があるのか」と意外な思いに捉われたし、ぐるっと回っても他の店にはなかった。足利時代の「書院の茶」で珍重されていた贅沢品で、千利休が侘びた「草庵の茶」を提唱すると茶の本流からは外れていく。
オレは足利義政の東山好みに共鳴するので油滴は一つは持ちたいと思っていた。つまり、冒頭で「侘びた煎茶碗があれば」と書いたくせに侘びと対極にあるものを買ってしまったわけだ。しかし派手な絵付けの陶磁器があふれている現代からみれば油滴すらもどうかすれば侘びているように見える。
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