2015/8/23 | 投稿者: 鹿苑院

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泰平の眠りを醒ます上喜撰 たった四杯で夜も寝られず

ペリー艦隊の四隻の蒸気船にかけた狂歌で有名な煎茶・上喜撰。これがその現物である…と言いたいところだが、上(正)喜撰、喜撰というのは煎茶の銘としてはポピュラーなものであるためいろんな店がその名前の茶を出しており、今回買った上林春松のこれが狂歌の作者が指したものかどうかはわからない。なお上林には「上」または「正」がつく「喜撰」はない。
ちなみに某店では「上喜撰」という銘で袋に黒船の絵を載せた深蒸し茶を売っているが、深蒸し茶は昭和になって発明されたものなので少なくともそれではありえない。

味はかなり美味しい。
近頃のグルメ番組では肉にしろ野菜にしろ飲み物にしろ「甘い」の連発で、甘味以外の味覚は認めないような風潮があるが、さすがに伝統ある上林はそんなお子様味覚の軟弱なブームに流されはしない。しっかりと渋味もあり、最初にガツンとくるその渋味が去った後に爽やかな甘味がやってくる。渋味は排除されるべきものではなく、甘味とのバランスを持って共存するべきものだ。

渋味、甘味ともに濃厚な骨太な味であり、それゆえにゴクゴクとは飲めない。小説片手にちびちびとやりたい。オレの探していた理想の茶に極めて近い味である。
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