2015/8/1 | 投稿者: 鹿苑院

人情家にはありがちなことだが、阿部忠秋もいたずら好きだった。
ある日、江戸城に登城した大久保忠成の弁当をこっそり食うという暴挙に出た。昼になって弁当箱を開けた忠成、びっくりはしたが「今日はあんまり腹へってないからいいや」と平気な顔をし、しばらくすると「用事ができた」と言って下城していった。

帰宅した阿部忠秋、出迎えた家臣に手柄自慢をしたところ、「ああそういうことでしたか。それで納得がいきました」と奇怪な返事。

聞くと、「先ごろ大久保様がいらっしゃって、『近くまで来たが腹がへったから湯漬けでも出せ』とおっしゃる。本当に湯漬けだけというわけにもいかないから一食分料理を出したら、『供の者にも馳走してやってくれ』などとおっしゃるので、図々しい人だなと思いながらお供の方々にもご馳走したんですよ。なるほどあれは大久保様の仕返しだったわけですね。」

さしもの阿部忠秋もたまには一本取られたというお話。
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