2014/7/19 | 投稿者: 鹿苑院

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いわゆる北方太平記の一角をなす作品。北方謙三の作品は実は初めて読んだ。もっと男くさいゴツゴツした作風かと思っていたが、癖がなく読みやすく、しかも面白かった。

佐々木道誉はばさらの先駆けと言われる。ばさらと傾奇者はイコールではないかもしれないが、前田慶次が好きなら佐々木道誉も好きになれるのではないだろうか。道誉の何ものも恐れないふてぶてしいほどの大胆不敵さは読んでいて痛快になる。敵に回すのは嫌だが味方に付けていても扱いづらいだろうなあと足利尊氏の苦い顔が思い浮かぶようだが、その足利尊氏もこの作品ではどこか一癖ある、道誉と対等に渡り合える個性の持ち主に描かれている(ちなみにオレのイメージでの足利尊氏は擦れた所のない、気のいい善人の塊みたいな人物である)。

最後まで面白く読み進めたのだが、最後の三行を読んだ時に急に感動して目頭が熱くなった。奇妙な形だったけど道誉と尊氏は友情で結ばれていたんだ、そう思った。
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2014/7/19 | 投稿者: 鹿苑院

レンタルしてきた「キングコング対ゴジラ」を見た。面白かった。この頃のゴジラはまだベビーターンはしておらず、人類にとって純然たる敵である。対するキングコングは明確に人類の味方という描写はないが島を襲った大ダコを退治して島民を救っているし、むやみに街を破壊したりもしていない。基本的に善玉と見て良さそうだ。

現実のゴリラも善良な動物である。見た目は怖いが専ら草食性。ゴリラの代名詞ともいうべき胸を叩く仕草(ドラミング)は敵を威嚇して闘わずして追い払うのが目的で、いわば平和主義のための手段と言っていい。
海外の動物園でゴリラの檻に人間の子供が誤って落ちてしまったことがあるが、この時はゴリラがこの子供を拾って飼育係に引き渡したというのだからなんとも可愛らしい。これが凶暴なチンパンジーだったら子供の命はなかったかもしれない(チンパンジーは他のサル類を襲って食べる習性がある)。

圧巻は「ココ」と名付けられたゴリラである。幼い頃に手話を教えられてこれをマスターし、なんと人間と会話ができるようになった。誕生日プレゼントに猫をねだったのでこれをプレゼントしたところ大変に可愛がったのだが、その猫は交通事故で死んでしまった。その事を伝えたところ明白に手話で悲しさを表明し、泣き続けたという。
さらには「死ぬとどこに行くの?」と人間がココに聞いたところ、「苦労のない穴に」と答えている。驚くべきことにゴリラにも宗教観があるという証拠である。人類の最も原始的な宗教もあるいはこういうものではなかったかと想像するに充分である。
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