2011/12/31 | 投稿者: 鹿苑院

豊臣秀頼が徳川家康の招待を受け、二条城に会見に赴いた時のこと。秀頼の護衛をしていた加藤清正は帰路で懐から隠し持っていた短刀をそっと取り出し、「これで故太閤(秀吉)の恩の半分を返した」とつぶやいた。もし徳川方が秀頼に危害を加えるような真似をしたらこの短刀で闘い、刺し違えてでも秀頼を守るつもりだったのだ。

今宵、紅白歌合戦に3度目の出場を果たす水樹奈々さん。今までの2回はまさにそんな清正にも似た思いで見守ってきた。今でこそほとんどいなくなったが、一昔前には「なんで声優が歌を歌うの?」なんて真顔で言う輩が後を絶たなかった。そういうのに限って自分の好きな歌手が声優としてアニメにゲスト出演すると大喜びするのだが。これぞ完全な保護貿易である。

そういう世間の無知厚顔よりも我々が心配していたのは(「我々」と書いたのはこれが鹿苑院一人の意見ではなく、同じように警戒する声がネット上に多くあったため)、NHKの方が変な演出をしないかということだった。例えばわざと一般人が見たら引くような萌え系アニメの画像を背景に流したり、客席にいる珍妙なオタクをわざと大映しにしたりといったイメージダウン必至の演出である。これを警戒してmixiなどでは、「客席に見に行くファンは変な服装をしたり、どんなに興奮してもおかしな振る舞いをしないように」という呼び掛けまでされていた程である。SMAPや福山雅治さんといったメジャーリーガーのファンはこんな苦労は想像したこともないだろう。

幸い、NHKは今までの2回ではそんな愚かなことはせず、他のアーティストと平等の扱いをしてくれていて好意が持てた。民放の歌番組に声優が出ると上記のような悪意ある演出がされる方が普通なくらいなので、奈々さんが紅白初出場した翌日の掲示板上では「あれ? おまいらが怒ってない!?」と驚く書き込みがあったくらいだ。

かつて林原めぐみさんが「徹子の部屋」に出演した時は、「○○の声やってください。わ〜すごい!」というような内容にはしたくないというめぐさんの希望をよく徹子さんが理解してくれて、とても満足いく内容になったという。声優もファンもそんな子供だましは求めていないのだ。

去年はまだ疑念が残っていたが、過去2回でNHKの良心を感じたので、今回は信頼している。オレの大好きな曲、「POP MASTER」だからさらに楽しみだ。短刀を持つことなく楽しみたい。
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