2011/8/19 | 投稿者: 鹿苑院

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鹿苑精舎本尊・六字名号。西本願寺発行・藤モデル。他のモデルには高級な順に金襴、桐、松があり、藤は桐と松の間、つまり下から2番目だ。藤モデルは表装が安っぽくて嫌だという御門徒もいるらしいが、私はそうは思わない。紫色が華やかさと重厚さを醸し出す、美しいデザインだと思う。ただ、欲を言えば蓮如上人の六字名号のように草書体で書かれていたらもっと格好良かったのにと思っている(この六字名号は現門主・即如上人の筆跡)。

浄土真宗の本尊には3種類がある。彫刻で阿弥陀仏の姿を刻んだ「木像」、絵画で阿弥陀仏を描いた「絵像」、阿弥陀仏の名を文字で書いた「名号」である。
木像、絵像、名号の順に値段が高いが、蓮如上人の語録には最も安い名号を浄土真宗では最上の本尊とするという記述がある。それにはこういう訳がある。阿弥陀仏とは本来は宇宙の真理・自然の法則を擬人化したものなので、姿かたちがあるわけではない。だから正確に表そうとしたら木像や絵像では難しく、最初から姿を捉えるのは諦めて文字だけで書くことにする方がかえって真実に近いというわけだ。浄土真宗では礼拝行を助業(本来必要な行の補足としての行)としかしないので、他の宗派のように仏像を拝むということは必ずしも必要としない。どっちかというと名号本尊は礼拝の対象というよりは、いつも弥陀の慈悲の中にいる自分を認識するための標語ステッカーに近い。この最上の本尊である名号が極めて安価であるということは中世日本の貧困層に浄土真宗が広まる理由のひとつにもなった。
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