2010/2/26 | 投稿者: 鹿苑院

幕末ビギナーがつまずきやすい一番のポイントが「尊王攘夷」の理解が難しいことだと思う。辞書的な意味では「天皇を尊び異人を日本から追い払うこと」で正しいが、多くの本で長州や土佐の反幕府的な志士のことを尊王攘夷派と書いていることが多い。そしてその尊王攘夷派の最大の敵が新選組であった──とまあ、こんな書き方が大多数だ。しかし、小説や時代劇など見ると新選組の近藤勇や土方歳三も時々「尊王攘夷のために」などと言っているものだから混乱して当然だ。新選組は尊王攘夷派の敵なのかと聞かれたら、答えはイエスでありノーでもある。ほら、ますますわからなくなってきただろう? 幕末物は視聴率が取りにくいとかつて言われた一因がこれである。

謎を解く鍵は「尊王」とは何かということにある。そして、「尊王」と「勤王」を混同しないこと。そこがミソなのだ。

「尊王」とは文字通り天皇を尊ぶことである。厳密にはどうか知らないが、当時の人物は全員尊王派と考えてよい。では何が尊王なのか、何をしたら天皇は喜んでくれるのか、それに関する見解の違いから「尊王」は「佐幕」と「勤王」に分かれる。前者は「天皇は徳川幕府に政権を委任しているのだから幕府を支持することが即ち天皇を尊ぶことにもなる」という思想で、後者は「幕府を倒して天皇が直接政治をする体制を作ることが天皇を尊ぶことだ」という思想である。

幕末の天皇である孝明天皇は自身が徳川幕府贔屓で、はっきりと佐幕派であったために孝明天皇が存命中は幕府が有利だったが、崩御して明治天皇が立つと情勢が逆転してしまう。後は周知の通りの明治維新である。

…ということを踏まえて「龍馬伝」を見ると理解しやすいでしょう。
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