2010/1/11 | 投稿者: 鹿野苑

昨日から「選択本願念仏集」を読み始めた。略して「選択集」と称する。「選択」は浄土宗では「せんちゃく」と読むが、浄土真宗では「せんじゃく」と読む。私にはむろん後者の方が違和感がない。

岩波文庫版を読んでいるのだが、書き下し文にしてあるだけで文語のままである。私は歴史は大好きだが実は古文はできれば勘弁してほしい方なので、ずっと以前に買いはしたものの読む気にはならず、コレクターズアイテムとして持っていればいいかとさえ思っていたのだが、一大決心を固めて読み始めた。思ったほど苦痛ではない。

法然上人の手によってこの論文が書かれたことで浄土宗が成立する。それまでの戒律に則った修行を不可欠とする仏教と違い、念仏だけで良いとする選択集はまさに仏教界の革命の書であった。当然アンチからの抵抗も激しく、選択集の原本は燃やされてしまい今はない。

思うに現在の歴史教育は法然上人および選択集の意義を教えていなさすぎるように思う。選択集が世に出てから800年も経っているのに、いまだに仏教といえば酒も魚も肉もセックスも禁止するものだと思っている人があまりに多い。仏教徒をそういう戒律による制約から解放したのが法然上人と選択集なのに、それを学校で教えないからいまだに浄土真宗の僧侶を捕まえて「お坊さんって精進料理しか食べちゃいけないんでしょ」なんていう人が後を絶たない。この仏教マニアの私の妹でさえ、うちの菩提寺の代変わりを見て、「あの住職はなんでお坊さんなのに子供がいるの?」なんて不思議がっていた。歴史教育の不備に愕然とする。
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