2009/2/25 | 投稿者: 釈鹿苑

仏という字は音読みすれば「ブツ」であり、訓読みすれば「ほとけ」である。インドの言葉で覚者を意味する「ブッダ」に当て字したのが「仏陀」で、仏はその略だから「ブツ」と読むのは当たり前。では「ほとけ」という読み方はどこから出て来たか。私の知る限り2つの説がある(もっとあったと思うが、あくまでも私の知っているのは2つというだけの意味)。

1つは、仏教徒の異名からという説。キリスト教徒をクリスチャン、イスラム教徒をムスリムというように、あまり知られていないが仏教徒のことは浮図(ふと。浮屠と書かれることもある)という。これに人を表す「家」という字を付けて(読書家とか勉強家と同じ用法)、浮図家と言っていたのが「ほとけ」になったとする説。

2つ目は仏教への悪口からという説。仏教が日本に伝わってからというもの、崇仏派の蘇我氏と排仏派の物部氏が対立していたわけだが、ある時、「ほおりとけ」という病名の熱病が流行したため、物部氏が「仏陀などという外国の神を崇めている奴がいるから日本古来の神々がお怒りになって熱病が流行るんだ。仏教はほおりとけを呼ぶ原因だ」と主張したため、「ほおりとけ」が「ほとけ」になったという説(ちなみに、この物部氏の主張に対しては、もしそうなら蘇我氏の関係者が熱病で真っ先に死ぬはずじゃんという聖徳太子の反論があったらしい)。親鸞聖人はこの説を支持していて、だから仏を「ほとけ」と読むのは好ましくないとおっしゃる(善光寺和讃)。なので、私も極力「ブツ」と読むようにしている。
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