『MAZE』
恩田陸
理解出来ない状況、処理出来ないくらいの情報にさらされた時、自分が何を選択すれば良いか、どの方向へ歩むのが正しいのかが分からなくなった時、人は迷う。
その先に何が待っているのか、それは正解か過ちか、希望の光か絶望の淵か。
それは分からないし、そのどれでもない何かなのかもしれない。
どこへ進もうが悪くにしか転ばない時もあるだろう。
だが、道は続いている。
どんな選択の先であろうとも、それが例え高い壁に視界を遮られた迷路であろうとも、広く開けた一本道であろうとも、終着へと続く道筋であろうとも道は続いている。
この生の続く限り、延々と。
閉じられた空間、謎多き伝承と現象。
創りあげられた現実と虚実。
その中でうごめく4人の役割と解き明かされていく真実。
ほんの少しの幻想と、どうしようもなくくだらない現実が交差する物語です。
舞台が限定されているので、場面を非常に想像しやすく、会話に重点的をおいて読める点が良かったです。

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