今月は1冊。
『青空感傷ツアー』
柴崎 友香
仕事を辞めた私と彼氏にフラれた彼女。
気の向くままに何処までも。
トルコ、四国、石垣島。
振り回されて、振り回して、ワガママで勝手な女2人旅。
どこか遠くへ行きたいと思っても、していること、考えていること、話していることは同じで何も変わらない。
変わったのは、違うのは場所だけ。
そこにいるのは私たち2人で、変わったのはそれ以外の人たちだけ。
非日常を求めて現実から逃げても、逃げた先には自分以外の人の日常があって、現実の続きがあって、どこまでもそれは続いて。
人、場所が違うだけで何も変わらない。
何かが違っていて欲しい、何所か変わって欲しいと願っているだけ。
そう思い込んでいるだけ。
変わるのは、変わっていくのはいつも自分自身の方なのに。
そんなロードムービー的小説。
軽くて深い読み心地がする1冊です。
痒い。
吸われた、寛平に。
日本庭園は蚊が多い。
池があるからね。
餌を強請って群がる鯉のいる池がね。
ふっ、憐れ。
乞い共よ。

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