本を読むのは大抵仕事中。
待ち時間や待機時間、、、って、おんなじやん。
空き時間や暇な時、、、って、これも同じ。
忙しい時期、独りになれる時間が作れない日、雨が降らない時季、撮影場所が賑々しい、騒がしい、五月蠅い、などなど。
そういう時はなかなか本も読めず、、、
いや、読めるけども読む気になれず、、、
という言い訳をしつつ、今月も2冊。
『世界でいちばん淋しい遊園地』
西田 俊也
何かがなくなる時、人は悲しみ、寂しさを感じる。
そして、時が経つとそれらを懐かしみ、思い出を語る。
しかし、それは独り善がりの偽善にしか過ぎない。
なくなるのには理由がある。
赤字続きだった。
人気がなかった(あるいは人気がなくなった)。
使われなかった(もしくは使われなくなった)。
会うことも連絡をとることもなかった。
存在すらも忘れてしまっていた。
気づくのはいつもなくなると決まった時。
もしくは、既になくなってしまった後。
そして呟く、「なくならないで欲しい」とか、「なくなって残念だ」とかナントカ。
ずっと忘れていたくせに、何もしてこなかったくせに。
反吐が出る。
憤りを感じる。
都合が良すぎるとは思わないかい?
償いや感謝を伝えたいのなら、それが存在する内にしなければ意味がないし、そうせずに後から懐古主義的発言や感情を抱くことは、ただの独善、偽善と言わずして何と言えるだろう。
という内容の本ではありません。
ある人は思い出を懐かしみ、ある人はそれを苦々しく思い、またある人は分かれてしまった人とその場所で再会する。
何かを求め、探しに、閉園が決まった遊園地へと再訪する人々。
そんな彼、彼女たちの短編集。
クロスストーリーもの。
全体的に甘酸っぱい感じです。
久々に鳥肌が立ちました、、、悪い意味で。
テーマはいいんやけどね、甘酸っぱいのがね、、、いらん。
『ちょいな人々』
荻原 浩
フツウの人の、フツウの日常。
それに勝る愉快なモノはなし!
そんな風に思うこと間違いなしの、愉しさ溢れる短編集。
身近な出来事の中に笑いの種は潜んでいるのです。
“あるある”が共感を、笑いを生むのです。
分かるから、分かったような気がするから面白さ、興味を抱くのです。
そういうものなのです、はい。
荻原さんはそういう読み物を書かせたら、ってか別に書かせているわけやないけども、とにかく、こういう日常風刺モノ書かせたらハズレはなし。
ほっこり系ですよ。
読んで愉快ですよ。
「これぞ読み物」、と言える一冊であります、はい。

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