高野二郎はフレッシュじゃないですが(爆)フレッシュ名曲コンサートを終えての感想徒然。
実は前日から当日ゲネプロまで声のコントロールが効かずガリガリノイズ状態で内心かなり焦ってました。このところの過密スケジュールが原因でしょうけれどそれは仕方ないです。オーケストラとの共演はいつもにも増してエネルギーを使うので本当に草臥れてしまいました。だから帰宅してちょっと横になっていたら爆睡してしまい夜中に目覚め、今ブログを書いている(笑)始末。
地元での演奏会でしたので気分的にはホームゲーム。実際ご近所の方々のお顔もちらほらお見かけしました。後援会の方々や馴染みのファンの方々、カルチャー・スクールの生徒さん、うちの親父殿(笑)。ステージ上から客席を見渡しとああ、また沢山の方々に支持して頂いているんだなあ、と安心感が持てたのも地元効果なんでしょうね。沢山のブラーヴォ!頂戴しました。本当にありがとうございました。
今回から、思い切ってお気に入りのヘアメイクアーティストの方について頂くことにしたので普段より各パーツがカッコ良かったのではないかと…当社比(爆)。メイクの間、リラックス出来ますし、衣装の早変わりもスムーズ。より良い演奏をお客様にご提供するためには必要なことだと思います。私がお願いしている方は本当に安心して身を委ねることが出来る方で良い方に巡り会えたなあと思います。
さて、肝心の演奏ですが、ギリギリのところで声が戻りましたのでいつもの安定した歌唱にはなっていたと思います。あまり冒険的な選曲はしていませんので派手さは無かったかもしれません。でも高野二郎らしさは出せていたと思います。現田マエストロがぴたっと寄り添うようにオケ伴をつけて下さるので歌い易かったです。
ここからはクラシック界でミュージカル・ソングを歌う際にいつも疑問に思っていることで賛否両論あるとは思いますが敢えて書きます。(あくまでもクラシック歌手がクラシック以外のジャンルを歌う場合ということに限定ですが、)ミュージカルナンバーをやる場合についてはやはりPAが必要だと思います。ミュージカルの楽曲はもともとPAを使うことを想定して作られています。音域も言葉(台詞)が伝わりやすい高さで書かれています。そもそも所謂ベルカント唱法で歌うものではありません。ですからフル・オーケストラと同じ舞台で生声で歌えば当然被せられて消されてしまいます。本当は張った声で歌いたくなくてもマイクが無いため仕方なく張った声を使わなくてはならなくなる。つまり表現の幅が狭くなってしまうのです。ミュージカル・ソング歌手の立場で言わせてもらうとミュージカル・ソングを学んでいないオペラ歌手にミュージカルソングを歌わせればそれはミュージカルソングにはなり得ないということです。立派な声だけの中身の
伝わらないミュージカルソングは既にミュージカルソングとは言えません。クラシックはスコアに忠実に演奏すべきものです。しかし、ミュージカルは多種多様なジャンルの音楽が混在しています。多少乱暴ですがひとまず“ポップス”という括りにしておきます。ポップスはスコアを離れて自由に表現するものです。ポップスにおけるスコアは目安に過ぎないのです。ですから“フェイク”したり“先ノリ”したり“後ノリ”したり普通に行います。だからといってそれをテキトーにとか勝手にやって良い訳はありません。やり方のセオリーはちゃんと存在するのです。それを学ばずにまあ、こんなんだろうとテキトーにやってダサダサな歌にしてしまうクラシック歌手の多いこと!おまけに声ばかりが全面に来るから中身なんて全く無視。声の押し売りには閉口。勿論スコア通り正しく歌うことはミュージカルソングの初歩の段階では必要なことです。それを踏まえた上で“崩し”をしていくのです。また、マイクは音を拡声するための道具としか思っていないクラシック歌手の多いこと!クラ
シック歌手は生声至上主義みたいなところがあるのでこの素晴らしい文明の利器を使いこなせない。マイクを使ってこそ成立する表現が沢山あります。クラシック歌手の場合、マイクを使って弱音にする場合、平気で抜いた声にしてしまうから声が安定しない。マイクを利用していても支えまで抜いてしまったら声は乗りません。不安定な聞き苦しい声になるだけです。
クラシック歌手は勤勉な方がとても多いです。幾つになっても勉強を欠かさないです。クラシック音楽に関しては。それが他のジャンルを歌う場合には勤勉な姿勢が無くなってしまっているように感じられるのです。もっと勉強しないと。
“クラシカル・クロスオーヴァー“という 名称が普通に使われ始めて暫く経ちますが、真のクラシカル・クロスオーヴァーを体現するためにはもっと真摯に学ぶ姿勢が必要です。それが出来なければクラシックに専念すべきです。
高野二郎という歌い手は少なくとも真摯に学び実践していく歌い手であり続けたいです。
さて、これでフォルテュニオに専念出来るぞ!まっだーむ、早く帰ってきてねぇ〜。
