昨日から新国のさまよえるオランダ人のリハーサル及び公演期間中のスケジュール完全拘束が始まりました。新国主催公演に出演するときは拘束期間は10時から22時の12時間、スケジュールを渡す契約になっています。勿論いつも12時間いなくてはならない訳ではありません。基本は一日10時〜13時、14時〜17時、18時〜21時の3コマに分かれていて歌手は自分の関係しているコマに参加をしなくてはなりません。3コマの日もあれば1コマの日もあったり。呼ばれなければ休みになります。稽古内容は前日の夜にならないと決まらないデイリースケジュール。従って他に仕事を掛けもつのは物理的に不可能です。レギュラー仕事が出来ないので収入の面では厳しいです…。ただ、オペラの稽古は終わる時間がはっきりしています。いつまでもダラダラと引き伸ばされることの多いミュージカルの稽古よりは時間が読めるのでいいです。
今回は本役ではなくカヴァー契約ですから公演には本役の歌手が出演します。カヴァー歌手はリハーサルに参加し、本役に何かあった場合代わって演唱することになるのですがまず余程のことが無い限り本役から代わることはありません。昨日はオーケストラ合わせでした。自分が歌うことなどないと安心しきって後方でオーケストラ合わせ様子をみていました。そしたら、ハプニング起きました。休憩後本役の歌手が歌うべき箇所が近づいてきたのに戻ってきません。副指揮者がみかねて彼を探しにいきました。もう一刻の猶予もなくなり、慌てて私が歌いに走りました。いやあ、びっくりです。一昨年二期会の公演で歌って以来久しぶりに少しでしたが歌いました。程なく本役の歌手が戻ってきたので私はお役御免。こんなことってあるんだなあと思いました、まさかオーケストラ合わせでとは。いけと言われれば直ぐにいかれるように準備をしておかなければならないと思いました。正に野球のリリーフピッチャーです。肩ならぬ声を作っておかねばならない、カウ゛ァーとはなかなか大変な
役目です。今日の舞台稽古では出番がないように無事にいってほしいです。