今朝のスポーツ新聞に「曙、初フォール負け」という見出しを見つけました。曙選手は現在プロレスラーとして武藤敬司社長率いる“新生”全日本プロレスの世界最強タッグ公式リーグ戦に武藤選手のパートナーとして参加しています。わざわさ“新生”としたのは故ジャイアント馬場さんが率いる全日本プロレスとは全く別な団体に感じられるからです。かつての全日本プロレスの流れを組んでいるのは三沢光晴社長率いるノアだと感じている私には今の全日本プロレスは全くの別団体にしか見えません。かく言う私は馬場さん亡き後、三沢選手らが脱退してからと言うもの、すっかりプロレス会場から脚が遠退いてしまいました。
前説はこの位にして今まで角界からプロレス入りしたレスラーで元横綱がなんと4人もいるのを皆さんはご存じでしょうか?古い順に東富士、輪島、双羽黒(北尾)、曙。東富士は力道山の時代なので私は現役時代をしりませんのでコメントできませんが記録などからみて大横綱、名横綱かどうかは?です。輪島は文句無く名横綱でした。北の湖のライバルとして一時代を築いた人でした。相撲界を離れたのは個人的なスキャンダルでした。離婚、借金苦などから38歳という高齢デビューでした。輪島選手の試合は何度か会場で見ていますがいかんせん相撲の現役引退からブランクがあきすぎていての高齢デビューに体がついていかない感じでした。実力が上の相手とは試合になりましたが相手に試合を作って貰わないとキビシイ選手でしたね。相撲時代に傷をつけました。双羽黒はもう、どうしようもない問題児。優勝を1度もせず横綱なり、素行の悪さから師匠と喧嘩になり部屋を飛び出しそのまま廃業。流れ流れてプロレスデビューも大して成果があがらす有名な「八百長野
郎!」発言でプロレス界追放。空手家として再びリングに上がるも高田延彦にK.O.されました。その後初期のPRIDEに数回参戦しまたも期待はずれのまま引退。2メートル、170キロの素材、小錦の膝を破壊したサバ折り等、潜在能力の高さに周囲は期待しました。やはり心・技・体のバランスがひどかったのですね。そして曙。初の外国人横綱として9回も優勝し、若貴のライバルとしてブームを牽引してきた功労者。しかし、昨年のK-1デビュー戦でボブ・サップにK.O.されその後ずーっと勝てず。角田選手に押され気味の判定勝ちの1勝のみでプロレスデビューでした。
プロレスは純粋に勝敗を競うものではありません。強いものが勝つとは限りません。今の時代にプロレスが勝ち負け重視の真剣勝負をしている競技だと思っている人はマニアの中にだって少ないかも知れません。競技というには余りにもグレーゾーンが多い。しかしエンターテイメントとして観れば素晴らしいショーです。八百長ではありません。そもそもショーに八百長など存在しません。
曙選手がフォール負けした事は別にどうということはない事かもしれません。しかし、相撲界の頂点を極めた人がこんな事では寂しいです。横綱というものはとてつもなく偉大な存在でなければなりません。安っぽい横綱は要りません。そういう意味では朝青龍関は立派でした。でも周りが弱いから朝青龍の強さが際立つのです。ああ、早く日本人のスター力士が育ってくれえ!