昨夜の白龍舘ライヴシリーズ“高野二郎のエッセンス"vol.2はお陰様で大盛況のうちに終了しました。上がりきったテンションが深夜になっても下がらずライヴ終了後も暫く白龍舘に残り歌いまくり、マスターとマネージャーの真理子さんとずーっと喋っていました。その反動で今朝はグッタリ(笑)。今日は抜け殻です。
白龍舘でのライヴシリーズは私にとっての実験場所です。プロの現場で仕事を始めて18年。様々な分野に参加して吸収したもののessenceを形にして発表していきたいとここ数年思っていたのを実行に移しているのです。高野二郎にしか出来ないモノ、形に拘って企画準備をします。前回の内容とはガラッと趣向を変えentertainment色を強めた今回の「ミュージカル版ヴォーカリスト」。人間の基本的な感情である喜怒哀楽を全て表現しようと試みました。ピアノと声だけのシンプルなユニットで最大限の表現をするには技術的にもかなりのレヴェルにいないと2時間半のライヴでお客様をもたせる事が出来ません。気が抜けない“戦場"でもあるのです。
今回は全て女声の曲ばかりでしたので正直keyが合うものが少なく大変でした。だからといって安易に移調してしまうとオリジナルの良さが消えてしまいます。ですから歌いにくさは技術と表現でカヴァーするのです。しかし、今回最後の曲で今までに体験したことのない状態になり普通に歌い続ける事が出来なくなりました。冷静に歌っていたのですが歌っている曲の役に成りきっていたのか目の前に舞台の光景が見え、そのキャラクターが体に降りて来たように感じられました。自分のレパートリーであれば考えられなくもないのですが今まで歌った事のない曲での疑似憑依?体験は全く初めて。涙が溢れ止まらなくなり嗚咽まで!冷静に自分を見ている自分もいるのですがどうすることも出来ませんでした。本来涙は流しても歌に影響しないように歌えなくてはいけないとプロではないと思っていたので自分に起きた不測の事態にただただビックリでした。客席も貰い泣きされている方々が多くいらっしゃいました。皆さん口々に感動しましたと仰って下さいました。えらく恥ずかしい思
いをしました。歌っていた時間、自分は完全に恋する健気な少女と化していたようです。
こんなハプニングがあるからライヴはやりがいがあるんですね。ご来場頂いた皆様、有難うございました。
今回のキャスト&スタッフ。9年間ミュージカルソングクラスのピアニストを勤めてくれている三苫洋子クン。実はライヴ初共演。そして前回に引き続きサポートvocal山岸由佳改め由香、受付スタッフをしてくれた原川麻衣子クン。みんな可愛い弟子たちです。
