教育の darkside  Topics

朝日新聞, 7/6 (土) 朝刊, 「塾が教えない中学受験必笑法」 vol. 3 教育ジャーナリスト おおたとしまさ 氏 による。
目先の一点を稼ぐことより, 親として伝えるべき大事なことがある。


中学入試本番前日に, 「明日の入試問題を見せてあげる」 と言われたら, あなたは見ますか? 答えが 「YES」 なら, あなたは中学受験のダークサイドに引きずり込まれつつあります。

先日ある中学受験塾の代表と, 保護者向けのセミナーに登壇しました。 その時の彼の発言が印象的でした。 「うちの塾では, 分からない問題の回答欄に出鱈目でもいいから何か答えを書いておけとは指導しません」。 その心は, 分からないなら分からないことを潔く認めなさいということでした。
 私は膝を打ちました。 これは親こそが子供に伝えなければいけない message ではないでしょうか。
 言うまでもなく, 中学受験の勉強は, 行きたい学校への合格を手にする為に出来るだけいい点数を取れるようになる為にするものです。 いい点を取るという目的だけを見れば, 解答用紙の空欄は出来るだけなくした方がいい。
 しかしそもそも親が子供の教育に力を注ぐのは, より良い人になって欲しいからでしょう。 だとすれば, 分からないものを分からないと堂々と認める潔さを身に着けることは, 目先の一点や二点を稼ぐことよりもよほど大きな意味があると言えるはずです。

ましてや, 冒頭の誘惑に乗ってしまうことは, ずるをしてでも目的を達成しようという, 人としてセコい態度を子供の教えることに他なりません。 教育効果としては最悪です。 しかも仮にそれで合格しても, 子供は 「自分はずるをしてこの学校に入った」 と思い続けることになってしまいます。 自分がこれまでやってきた受験勉強への誇りも水の泡です。
 中学受験に, "失敗" があるとすればその一つは, 我が子をせこい点取り虫にしてしまうことだと私は思います。
 塾選びから勉強の取り組み方, 志望校選びまで, 中学受験は選択の連続です。 そこで, 目先のテストの事ばかりに意識を奪われると, 人として大事な本質をおろそかにしてしまいかねません。 それでは何の為の教育か......。
 偏差値を上げるための指導は, 塾の先生がしてくれます。 親の役割は, 更に偏差値を 5 や 10 上げる為に勉強を教えることよりも, 中学受験という機会を利用して, 人生の選択に際しての美学や, 人としてのあるべき姿を子供に伝えることだと思います。
学校もそうあるべきなのかもしれない。
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評価とノート取り  Topics

最近の高校生は, 以前に比べて一段とノート取り (note-taking) が下手になった。 単に時間が掛かるだけではない。 内容も只, 黒板に書かれたことだけを, 黒板に書かれた通りにしか書けなくなっている。
 その原因について, 今朝の新聞でこんなことが書かれていた。
読解力が足りなくなった原因について, 新井 (紀子) 教授はこう考える。 「親切心で先生が穴埋め式のプリントを作ると, 子供達は key word 以外の部分を読み飛ばす様になる」

シンギュラリティーにっぽん 第一部 未来からの挑戦 (13), 朝日新聞, Sun 7th July, 2019.

勿論, note-taking に時間が掛かり過ぎるから, プリントを作るという側面もあるだろう。 だが, きっとそれだけではない。
 神奈川県では 「観点別評価」 というのが行われている。 その観点の一つに 「関心・意欲・態度」 というのがある。 これが曲者だ。
 「関心・意欲・態度」 を数値的に評価するのは大変難しい。 そこで, 授業中での発言回数やら, 手を挙げる回数やらで評価を付ける。 その中で, ノート点というのもある。 プリントの提出回数などと一緒に, ノートの取り方で評価を付けるのである。
 しかし, ノートの取り方を評価するというのは難しい。 又, 客観性を担保するのも難しい。 そこで, プリントの登場である。
 プリントを配って, 穴埋め式にし, 穴埋めがちゃんとされていなかったら減点する。 何てすっきり! 客観的だし!
 確かにそうだったが, 結果として, note-taking が全く出来なくなってしまって, 大人になっても, 大学でプリントはないのかと平気で口にする始末である。

奇しくも今日は同じ朝日新聞の Globe で 「評価なんてぶっ飛ばせ!」 という特集をやっていた。 こちらは大人の方の (給与や昇進の) 話だが。
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