
ねぇあなた、わたくしを待っていて下さったのね。あなたとここで最後に逢ったのは、もう10年以上も前のことだと言うのに。

あの頃のわたくしは、あなたとの時間がすべてだった。この紅色の花のごとく、心の芯に点いた火が妖しく揺らめいて…。

この幹に手を触れていると、あの時のあなたの鼓動が聴こえてくるようだわ。だってこの紅枝垂れの下に、あなたは埋まっているのですもの。
ギャーーーー!怖いーーーーー!フィクションですから!フィクション!!! いやぁ、あまりにも美しい桜の下にいると、ムクムクと妄想がふくらんでくるのですよ。ひとりっこの悪い癖の、脳内ひとり遊びですわ(^^;;;

本来の姿は、こんな感じの
可憐な紅枝垂れです。伊奈町の某お寺の境内に咲いているのですが、いつ行ってもほぼひとり占め。たま〜に、お墓参りの方と会うくらいで、心ゆくまでその可憐な姿を眺めていられます。夜にライトアップなどすれば、壮絶な妖艶さになるのでしょうが、そんなこともせず静かに夜の帳に沈んでいきます。出会った頃は華奢だった幹も、10余年も経つと貫禄が出てきました。毎年この時期は、足繁く通ってしまう場所です。関東のお花見は、明日がピークになりそうですね。

