週末の朝にお経を読みに行っているお寺さんは、ただ今本堂の大改修中。築100年以上の立派な本堂を横にずらして移築するのだが、これがまたすごい大変な作業。曳き屋という方法だと聞いて、今あるものをその形のまま引っ張るのかと思いきや、瓦をはずし周囲も全部はずして、ほぼ骨組みだけにしないと重くて曳けないそうな…。その曳き屋作業も無事に終り、先月末の日曜日に上棟式が執り行われた。
紅白の幕が張られ、お揃いの桔梗の紋の半被を羽織った世話人さんたちがいっぱい。建築関係の方は裃姿、そして鮮やかな衣に身をつつんだ僧侶さまたち。建築途中の本堂内で、厳かに儀式が行われる。お寺の関係者以外も参列できるのが、自由な考えを持つ真言宗のお寺さんらしい。般若心経、九條錫杖などが読誦される。さすが上尾を代表するお寺さん、太い梁が見事でほぇ〜っと魅入ってしまう…。
お経を終えると、次は棟梁さんの出番。世話役と共に外に出て、測量などの儀式を。若い大工さんの烏帽子直垂姿が、凛々しくてカッチョいいんじゃない♪
そして式は後半に…。いよいよ屋根の上に上がってのクライマックスだ!
お天気を心配していた副住職さまの願いが叶って、当日は雲ひとつ無い快晴。
「こういう行事を、ぜひ子供さんにも体験してもらいたい。また何十年経ってからこの本堂を見て、自分の子供や孫に、これができる時に見ていたんだよ〜という話をしてくれたら嬉しいし、そういう記憶って大事だと思うんですよ」
確かに、こういう式って滅多に見られるものじゃないし、この建物は今後脈々と時を刻んでいくもの。そういうことを感じられる機会に立ち会えたのは、メッチャ幸せかもしれない。(つづく)