会場に戻ると、同じお教室でお世話になっている大先輩の「助六」が始まるところだった。ああ、吉原の舞台が華やかだ!この踊り、にゃんこも一緒に教わったので、さらに興味深い。何たって、色男の助六さんの扮装が素敵だよね〜(^^ さっそうと傘を振り上げて決まったところで幕になる。いよっ!カッコイイぞ。そして本日の一押し、芳子先生と芳十郎先生が歌舞伎仕立てで演じる「花井お梅」。人間国宝の新内仲三郎さんの弾き語りが冴え渡る。最後、峰吉の番傘を青梅の包丁が切り裂いて幕となる。ただの舞踊でも難しいのに、こういったお芝居仕立てをなんなく演じてしまうおふたり…やっぱスゴイ。
幻想的な「蝶の道行」にほぇ〜となった後は、お教室でお世話になっている師範の大先輩の「流星」。雷の夫婦喧嘩を子雷とおばあちゃん雷がとりなすという楽しい舞踊。見ている分には笑いもあって楽しいのだが、ひとりで4役を踊り分けるのは至難の業。とくにおばあちゃん雷が入れ歯を飲んでウグッ!となるところなんか、絶妙である。芸ってこういうものなんだと大感動したところで幕となった。


この会も、いよいよに佳境に入る。1時間近い大物「鏡獅子」では毛振りをほぇ〜と眺め、そしておおとりの「京鹿子娘道成寺」へ。これにもお世話になっているふたりの大先輩が踊る。最後に後ろを向いたまま2本の手ぬぐいを撒くので、前の方に陣取って観る。上から吊るされている鐘が見事だ。いいなぁ〜、いつかは道成寺踊ってみたいなぁ(*^^*)道成寺も全編お稽古済みなので、見ているうちにチョロリと手が動いたりする。そして狙っていた撒き手ぬぐいが目の前の席にポトッと!…でもね、後ろからショロッと取るのもせっかく来てくれているお客さまに失礼だと思い、手を引っ込めてしまった…ああ、欲しかったのに。最後は芳子先生が、早間の手踊りや引き抜きなどたっぷりと見どころを披露して、鐘の上に乗って決まったところで幕となる。ぬおぉー!かっこよすぎ!
興奮が残る中で再び幕が上がり、最後の手締めとなる。芳子先生のお隣には、いつも優しく見守っている旦那さまが…。先生に促されて、旦那さまもひとことご挨拶。押し出しの強い先生だけど、旦那さまを大事にして心から感謝しているのが伝わってきた。芳子先生も感無量のご様子だ。長い1日もこれで終り。最後まで観ていて下さったお友達にも感謝。出口で綺麗なお花をいただいて帰路についた。日舞という特殊なお稽古事を続けこういう会に出られるのも、周辺の人の協力があってのこと。お友達からもらったプレゼントを抱えながら、感謝の気持ちがジワジワとこみ上げてきた。家にたどり着き普段着に着がえて食べた助六弁当と紅白まんじゅうは、心にもお腹にも染み渡りましたとさ♪(おしまい)

