実はにゃんこ、今まで恥ずかしくて内緒にしていたが、このルートに入るのは初めて。草津や四万あたりは、何度来たかわからないほどなのに、ここはなぜか未入湯の地。我慢できずに花敷温泉に降り立った瞬間にお宿に飛び込んだのである。でも、玄関先には靴がいっぱい…えっ?満員でお風呂入れない???
ご主人らしき人を発見し、
「すみません、混んでいるみたいですけどお風呂だけ入れますか?」
と恐る恐るたずねてみたら、
「ああ、これ地元の法事の人だから、お風呂はダレも入らないから。
女性用内湯はあそこ、よかったら貸切の露天もあるから入っていって」
と、ラッキーなお答え。500円也を支払って、露天への階段を駆け上がった。
「おお!いいじゃなぁ〜い♪」
高いところにある露天は、入浴中の札をかけて貸切で入浴できる。眼下には花敷ののどかな風景が広がる。ツルツルの浴感のある湯にのんびり浸かり、満足満足!その後に行った内湯にも誰の姿もなし。浴槽のふちからザバザバと流れ落ちる贅沢なかけ流し温泉をゆるりと堪能した。やっぱ昼間の温泉旅館ではいる湯はいいなぁ〜。
ホカホカになったところで、次の尻焼きの川の露天に入るべく、不本意ながら下に水着を着用し、尻焼温泉までの山道をひとり歩き出した。車も人も通らない。冬枯れの山の上には、雲ひとつ無い青空が広がっている。NHKの「小さな旅」のテーマソングを口ずさみながら、ひとり晴れ晴れとした心持ちで歩くこと15分あまり。小じんまりした尻焼の温泉街が現れた。
土曜ということもあって、あの有名な川の露天には人がいっぱいだ。水着着用の人が多いと聞いていたのに、おじさんのほとんどは自然なお姿(^^; ピンクのコートに鈴を付けた赤いリュックを背負ったオナゴに、入浴中の殿方の視線が集中する。そんなに気合入れて見なくたって…。水着を着ているものの、何だかこの注視の中で着てるものを脱いで入るのも勇気がいる。まずはお宿に行ってから、誰か誘って出直そうかなぁ?と思って歩き始めたところに、野湯界の有名人である八九郎氏が「1126」(いい風呂)ナンバーの車に乗って通りかかった。
「宿までけっこうあるから、乗って行きます?」
「う〜ん、お宿に入る前に、ここ入りたいんですけどねぇ…一緒に入りません?」
疑問系ながら、もう「入れよ!」という気迫充分なにゃんこにおののいて、八九郎氏は入らざるをえなくなった。すみません、にゃんこには鴨がネギ背負って、お湯が入ったお鍋まで抱えて近づいて来たように見えたのでしゅm(。.)m おりしも、川沿いの家のワンコも、入れ!入れ!と、立ち上がって応援してくれている。
同行者を得て、ホクホクして川の湯に浸かる。川底からプクプクと湧き出る湯が心地いい。湯かげんも、これ以上ないというちょうど良さ。水着なのがシャクにさわるが、この状況では致し方ない。大御所の八九郎氏に写真まで撮らせて、大満足の入浴となった。気がすんだので、1126ナンバーの車に同乗して、心置きなく今宵の宿尻焼温泉の最奥にある「白根ハイム」にむかった。この勝手さ、ネコなので許しておくれ…。
花敷・尻焼温泉→
http://www.vill.kuni.gunma.jp/



