児玉小枝さん著の
「どうぶつたちへのレクイエム」という写真集を知っているだろうか?
しばらく前からこの本の存在は知っていたが、未だに本を手にとって開くことが出来ない。なぜなら、そこにある現実を見つめて平静で居られる自分が想像できないから。
空前のペットブームと言われ、ペットショップに乳離れしたかしないうちの仔猫や仔犬が夜でも煌々と灯りのついたショーウィンドに「陳列」するような先進国である日本では、毎日保健所で人間によって持ち込まれた同じ犬や猫が数千匹も「窒息死(安楽死ではありません)」させられている。
写真集は、その殺される直前の、まだ人間を信じきっている犬や猫達の写真を載せている。その穢れない目を直視する自信が、私にはまだ、無い。
こうしたやりきれない状況を少しでも改善するために、多くのボランティアやNPO団体の人たちが、里親制度や地域猫の地道な活動をしてくださっている。頭が下がる。
自分にできることは、ささやかな寄付と、応援のためにこうした文章を書いて少しでもこの哀しい現実をいろんな人に知ってもらい、世論が、行政が動くのを待つだけ...
死を待つ動物達の哀しい目を直視できないのは、こんなことしか出来ない自分が後ろめたいからかもしれない。

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