「開館50周年記念 美の祝典」パート3は、江戸時代の屏風、掛幅等。江戸時代でも水墨画はパート2で展示されているので、今回は彩色画。
まずは北斎の美人画、葛飾北斎「春秋二美人図」(双幅、絹本着色) 右、菜の花の咲く春景に濃い色の着物の女性、左、月夜(?)の下、女郎花(おみなえし)の咲く秋景に虫籠を覗きみる女性を描く。
鳥文斎栄之「舟遊図」(一幅、絹本着色) 満月の下、柳橋界隈の夏の隅田川、画面の下四分の一程度に屋形船の傍らに佇む人物を描く。
「祇園祭礼図屏風」(六曲一双、紙本着色、桃山時代) 京都八坂神社の御霊会に人々が集まる町並みを俯瞰した構図
「洛中洛外図屏風」(六曲一双、紙本着色、江戸時代) 右隻に伏見城、東寺、左隻に二条城、西本願寺などを描く。
「江戸名所図屏風」(八曲一双、紙本金地着色、江戸時代) 右隻に上野寛永寺、湯島天神、神田明神、日本橋、左隻に江戸城天守閣、京橋、増上寺、芝浦を描く。よく見ると、不忍池に白い水鳥が描かれており、対岸の人物がこれを眺めている。寛永六年の文書に、不忍池にペリカンが飛んできた、という記述があり、それに基づいて描かれたのではないかと考えられている。
「伴大納言絵巻」(三巻のうち下巻、紙本着色、平安時代) これまでのストーリーはパネル展示があり、細かいところを拡大して見せるなど工夫されている。下巻では紅葉した木々の葉を描いた紅が鮮やか。
英一蝶(はなぶさ いっちょう)「四季日待図巻」(一巻、紙本着色、元禄〜宝永) 障子に映る人影などを描いた秋景。この図巻は三宅島配流の期間中に描かれたと考えられている。
「遊女歌舞伎図」(一幅、紙本墨画淡彩、江戸時代) 作者不詳だが、岩佐又兵衛を思い起こさせる描写。横長の画面は、巻子の断簡を表装したのではないか、とも思えるが解説なし。
俵屋宗達「伊勢物語 武蔵野図色紙」「伊勢物語 若草図色紙」(各一幅、紙本金地着色、江戸時代) 表装の裂(きれ)など、おもしろそうなので、掛けた状態で見たい。
本阿弥光悦 書、俵屋宗達 下絵「蓮下絵百人一首和歌巻断簡」(一巻、紙本金泥下絵墨書、江戸時代) 関東大震災により半分以上を焼失し、以後、断簡として保存される。
酒井抱一「紅白梅図屏風」(六曲一双、紙本銀地着色、江戸時代) 展示室の角に直角に配置。一般的に屏風の展示は、右隻、左隻を横並びにすることが多いが、家の中では、このように直角だったり、向かい合わせに置いたりすることもあっただろう。
酒井抱一「風神雷神図屏風」(二曲一双、紙本金地着色、江戸時代)
酒井抱一「八ッ橋図屏風」(六曲一双、絹本金地着色、江戸時代) 屏風を立てると画面に凹凸ができ、ジグザグした遠近感が現れる。平面に印刷されたものではこの立体感はわからない。
伝・尾形光琳「富士図扇面」(一幅、紙本金地着色、江戸時代) 伝・光琳の扇面を台紙に貼って表装したもの。台紙にはすすきが描かれ、「菁々其一」の落款がある。
酒井抱一「十二か月花鳥図貼付屏風」(六曲一双、絹本着色、江戸時代) 右隻、紅白梅、白牡丹、かきつばたなど。左隻、もみじ、ききょう、白菊、水仙など。
鈴木其一「四季花木図屏風」(六曲一双、紙本金地着色、江戸時代)
鈴木其一「秋草図」(一幅、紙本金地着色、江戸時代) 横長の画面。紙継ぎが見られることから、もと戸襖絵と考えられている。
野々村仁清「色絵鶉香合」「色絵鶏香合」 金を施したかわいい香合(こうごう)
会期:6月17日(金)〜7月18日(月・祝)
出光美術館(丸の内)
滞在時間:11:50〜12:50
料金:前回(5月7日)入館時に渡された、優待割引券(500円)を使用

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