県社会福祉協議会が実施している「福祉職体験学習」に申し込んで、地元の知的障害者通所施設で一日だけの体験をしてきました。 就労継続支援(B型)と呼ばれる施設で、利用者19名、職員6名でした。 就労継続支援B型とは、一般企業での雇用が困難な障害者に対して、雇用契約によらない就労の機会を提供するとともに、就労に必要な知識・能力の向上を図るための支援、日常生活の支援を行なう施設です。「雇用契約に基づく就労の機会を提供する」のがA型。
施設職員の皆様には、通常業務で忙しい中、快く体験学習者を受け入れていただき、ありがとうございました。 特に、体験終了後に職員の方とお話させていただいたことで、体験を整理することができました。
2週間前の土曜日に事前オリエンテーションとして、施設の場所の確認、施設内の見学、一日の仕事の流れなどを確認しておきました。 住宅地の路地の突き当たりという立地にちょっと驚いたけれど、本当はそれが普通でなきゃおかしいんだよね。 障害者施設というと、町はずれにあるような印象があるけれど、自分たちが住んでいる町の中で近所づきあいを身につけたり、就労の機会を探っていかなきゃ意味ないじゃん。 ということで、当然、自宅から自転車で通って来られる方もいる。 施設の活動の一環として、利用者自らが廃品回収に回ったりもしているそうです。
普段は、施設内での軽作業。 アンテナの部品を組む作業、ボールペンの部品を組む作業、広報誌とチラシをセットにして封筒に入れる作業など。 朝、利用者の皆さんは、施設に来るとまずタイムカードを打刻する! タイムカードを打刻することで家庭からの延長線を断ち切って仕事場へ入るイメージでしょうね。 終業時は一斉にタイムカードを打刻することになる。 そうすると、カードを戻す場所がわからなくなったり、混乱する。 そういう利用者に「こっち!」と言ってあげる利用者もいます。
はっきりとした口調で話せない利用者に対して、職員が「もっとはっきり言わないとわからないよ。」と何回か、言い直しをさせていました。 あとで話をうかがうと、自宅では、もっとはっきり話ができるそうで、自宅以外の環境でも同じように会話ができるように訓練を重ねて、社会性の向上につなげていきたいということでした。 普段は施設内の作業だけしか見ていなくても、利用者の社会性向上や自己実現のためには、施設以外の利用者の姿にも目を向けて、利用者一人ひとりに合った対応をしていく必要があるのでしょう。 また、現在の姿だけではなく、1年前、2年前、あるいはそれ以前からの利用者の成長過程をふまえて、言葉かけや支援をしていく必要があるということですね。 施設にいる時間だけの利用者ではなく、それ以外のところまで見て、考えて、利用者との関係を作っていくということについて考えさせられました。
そして、障害の程度等についても先入観を持たずに普通に接していく中で、利用者を受け入れていくことが大切ということです。ついつい、自分の価値観で判断して、話をしていないか? 気をつけなければならないと思いました。支援することの難しさと奥深さを実感しました。

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