細川家の至宝 珠玉の永青文庫コレクション 4/20〜6/6
いつものように、1階のビデオ・ガイドを見てから上がろうとすると、隣の企画展示室に屏風が、...
特集陳列「海外の日本美術品の修復」
海外の美術館、博物館に所蔵されている、日本の美術品、工芸品を、日本へ里帰りさせて、国内で修復しているのものから3点を展示。
さて、本題の「細川家の至宝」
1部、2部に分かれ、第1部は、細川家の歴史
第1章の武具類は、あまり興味なし。
<細川ガラシャ消息>は、ガラシャの死後何年も経って、その最期を記憶していた侍女がしたため、ガラシャの夫である細川忠興に差し出したもの。
第2章は、江戸時代の細川家。関ケ原合戦後、細川忠興は豊前小倉藩主、その子、忠利の代に肥後熊本藩主となり、明治維新へ到る。
このコーナーでは、<水前寺庭中之図>、<富士登山図巻>のような迫力のある巻子が目をひく。<富士登山図巻>なんか、現代の鳥瞰図にも匹敵するリアルな立体表現。
第3章は、能、和歌、茶にまつわる品々
茶碗では、金色に輝く<黄天目 珠光天目>、長次郎<
黒楽茶碗 銘 おとごぜ>、<掛分茶碗 銘 念八>など
所蔵している茶入、茶碗を詳細に書写した<茶入茶碗写真帖>は、所蔵品カタログ。
細川幽斎が書写した<古今和歌集>もありますが、関連した展示は、本館16室にも。
第2部は、護立コレクション
細川護立(ほそかわ もりたつ、1883〜1970)は、美術品の収集や文化財保護に熱心で、自らのコレクションと細川家伝来の所蔵品の保存のために永青文庫を設立した人物。
第1章
白隠慧鶴<夜船閑話>(一冊) 細川護立氏は、少年期の病床でこの書物を読み、18歳頃から白隠の書画を収集するようになった、つまり、護立コレクションの出発点というわけで、白隠の書画が並ぶ。
白隠慧鶴<達磨図>(一幅) よく知られたギョロ眼の達磨
白隠慧鶴<乞食大燈図>(一幅) 乞食修行中の大燈国師
白隠慧鶴<蓮池観音>(一幅) 墨で塗りつぶした背景の闇に、白抜きで浮かび上がる観音像
白隠慧鶴墨蹟<巌頭全豁語>(一幅) 中国・唐代末の禅僧、巌頭全豁(?〜887)の「暫時不在 如同死人」を大書したもの
白隠慧鶴<鼠師槌子図>(一幅) 大黒天が白鼠に「君に忠、親に孝を尽くすならば、福寿、智仁勇を授かる」ということを伝えている図
第2章
横山大観ら新進の芸術家の庇護者としての細川護立
菱田春草<
黒き猫>(一幅)、5/16まで。その後は、菱田春草<
落葉>(六曲一双)へ展示替え。
横山大観<焚火>(三幅対、熊本県立美術館)、5/16まで。え〜と、これと同じモデル(笑)の「寒山拾得」を見た記憶があるんですが、どこのだったかな? 今見ても、今風の若者というか、インテリではあるけど、趣味多彩みたいな雰囲気をかもしていますが、大正時代なら、かなりハイカラに見られたんじゃないでしょうか?
横山大観<柿紅葉>(六曲一双、熊本県立美術館寄託) 右隻、松、竹、鶉。左隻、俯瞰した構図で近景に紅葉した柿の木。
横山大観・下村観山<寒山拾得>(一幅) 合作は、護立氏の提案
鏑木清方<抱一上人>(三面) 護立氏の希望により自邸洋室に飾るため、額装に仕立て直された。
第3章 東洋美術
<
金銀錯狩猟文鏡>(中国、紀元前4〜3世紀)
黄庭堅<伏波神祠詩巻>(一巻、北宋1101年)
景徳鎮窯<五彩仙姑図花盆>(清、17〜18世紀) 盆と書いてあるが、「花木を植えるための花盆」とあるから、プランターか! 鶴や朱色の蝙蝠が飛んでいる絵
インドの仏像
<ターラ菩薩立像>(パーラ朝、10〜11世紀)
<文殊菩薩像>(パーラ朝、11世紀)
<ヴィシュヌ立像>(ポスト・グプタ時代、7〜8世紀)
参照サイト
東京国立博物館 東京国立博物館ニュース
東京国立博物館ニュース700号に、特別展「細川家の至宝」、次回特別展予告記事があります。
メモ: 最寄り駅 JR上野駅公園口、JR鶯谷駅、メトロ銀座線・日比谷線上野駅
料金 1500円
滞在時間 約1時間(平成館)

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