新年最初の展覧会訪問は、お馴染み、東京国立博物館本館の平常展。
本文中、作品名にリンクが設定してあるものは、クリックすると東京国立博物館の作品詳細ページ、情報アーカイブ等で画像を見ることができます。
本館2階
階段を昇った2階のホワイエに、タッチパネルモニターが置いてあり、「洛中洛外図屏風(舟木本)」が表示されています。画面に触れることで、その部分を拡大表示したり、移動して見せてくれるというもの。実物、特に屏風の上辺など、これほど鮮明には見えません。今日は時間がないけど、
ミュージアムシアター(〜3/28)も見てみたい。
特別2室 特集陳列「寅之巻」〜1/31
岸駒<
虎に波図屏風>(二曲一双、紙本墨画)の迫力は、7室、8室で展開してもらいたいくらい。こじんまりとした展示の中で、ここだけ空気が違う。この後、7室、8室へ行ったら、まだまだ虎がいましたけどね。
円山応挙<
虎に波図屏風>(一幅、紙本墨画)
珍しいのは、
<白釉鉄絵虎形枕> 12〜13世紀の中国(金〜元)で作られた陶器の枕
虎が前足の上にあごを乗せ、うずくまる姿に作られている。中国では陶製の枕が広く実用とされていた。頭を乗せる部分には鉄絵で鳥の文様が描かれている。虎をかたどった枕はさかんに作られており、魔よけの意味があったと考えられている。(展示解説より)
<胸背(ヒュンベ)>
胸背(ヒュンベ)は王、世子、官僚の服に付けた刺繍の飾り札。朝鮮王朝時代、官服の制度は中国明に倣い、時と場所に応じて、色や形、文様や持ち物に至るまで、厳格な規定があった。官僚の胸背は四角で、勇猛さを表す虎(豹)は武官に許された図様である。(展示解説より)
虎と豹は区別されなかったらしい。
特別1室 特集陳列「歳寒三友と明末清初の書」〜1/31
沈銓<
鹿鶴図屏風>(六曲一双、絹本着色、1739)
沈銓(号は南蘋)は中国・清時代の花鳥画家。享保16年(1731)に来日し数年滞在した。その画風は江戸時代の画家に大きな影響を与えた。本図は沈銓の代表作の一つ。多寿を願う吉祥図で、不老長寿を寓意する鹿、鶴、松、柏、桃、霊芝などが描かれている。(展示解説より)
右隻は林間に鹿の群れ、左隻は波上に張り出した松に鶴の群れ。鹿の眼つきが怖いぞ。
2室 〜2/7
雪舟等楊<
秋冬山水図>(二幅、紙本墨画、室町時代) なぜか、もっと大きい画面を想像していました。実物を見ておくものです。
3室は、
先月の記事と同じ。
4室に
伝・藤原行成<
升色紙>(一幅、紙本墨書、11世紀) 〜2/28
7室 〜2/21
<
洛中風俗図屏風(舟木本)>(六曲一双、紙本金地着色、江戸時代) 画像情報アーカイブのほうの
洛中風俗図屏風(舟木本)も部分的にかなり大きく見られます。右隻、右端手前から、三十三間堂、方広寺、2扇目の奥に清水寺、その左手に祇園社、知恩院、四条河原と五条大橋、手前に六条三筋町(遊郭)。左隻、奥のほうで大きな飾り物や人があふれているのが、祇園祭、手前は、西本願寺と東寺、左手奥に御所、手前に二条城。
8室前半は、
先月の記事と同じ。
8室 〜2/21
俵屋宗雪<龍虎図屏風>(六曲一双、紙本墨画) 朝鮮絵画に見られる虎に似てます。
「俵屋宗雪」どこかで見た名前、と思って調べたら、2008年10月の
琳派ミニ特集の記事に<
秋草図屏風>が登場していました。
円山応挙<
虎嘯生風図>(一幅、絹本着色) 特別2室の水墨の虎とは違って可愛い。
岸駒<
月梅図>(一幅、絹本墨画) こちらでも応挙と岸駒が並んでるよ。
谷文晁<公余探勝図巻 巻下>(一巻、1793)
本阿弥光悦(1558〜1637)<
芥子下絵和歌巻>(一巻、彩箋墨書、1633) 上から見るだけでは、下絵はわかりません。中腰になって展示ケースの横から見ると、並んだ芥子坊主が、銀色に反射して見えます。
下絵に芥子坊主(芥子の果実)を胡粉と雲母(きら)で描き、「新古今和歌集」巻第十一の詞書と和歌を散らし下記する。晩年の筆と推測され、筆線に震えが散見される。料紙および下絵のさまざまな白が、墨が内包する多様な黒を対比的に引き立てている。(展示解説より)
角倉素庵(1571〜1632)<
百人一首 三十六歌仙和歌>(一帖、彩箋墨書)
左 斎宮女御
袖にさへ あきの
ゆふへは しられ
けり
きえしあさちか
露をかけつゝ
左 敏行朝臣
秋はきの はな咲
に
けり 高砂の
をのへのしかは
今や鳴らん
お正月の風物詩、かるたとして親しまれる百人一首ももとは歌集である。角倉素庵は江戸時代初期の京都の豪商で風流人としても知られており、茶道を古田織部に、書は本阿弥光悦に学んだ。光悦流の巧みな筆遣いと料紙とが実に美しい調和を見せている作品。(展示解説より)
9室 特集陳列「舞楽装束」〜3/7
「陵王(りょうおう)」(羅陵王(らりょうおう)または蘭陵王(らんりょうおう)とも)と「納曽利(なそり)」の面、および装束。
Takさんのブログ
弐代目・青い日記帳 に画像あります。
10室 浮世絵〜2/7
<洛中洛外図屏風>(六曲一双の左隻のみ、紙本金地着色、個人蔵)
鈴木春信<下駄の雪取>
礒田湖龍斎<
雛形若菜の初模様 大かなや内白たえ>、<
雛形若菜の初模様 丁字屋内とよ春>
菱川師宣<
北楼及び演劇図巻>(一巻、絹本着色) 画像情報アーカイブのほうの
北楼及び演劇図巻
10室 衣装〜3/7
<小袖 藍鼠縮緬地唐山水人物模様>(江戸時代、19世紀) 藍色がかった鼠色という地味な配色の小袖に、描絵友禅という技法で裾に「唐山水人物模様」を描いているというもの。その裾模様のなかに、二頭身の唐子(笑)!
1階18室 〜2/21
橋口五葉<髪梳る女>ほか
荒井寛方<
乳糜供養>(六曲一隻、絹本着色、1915)
下村観山<楠公>(三幅対、絹本着色、1921)
1階20室 〜4/18
「
国宝 孔雀明王像 ができるまで」と題して、東京藝術大学の学による制作工程の模型が展示されていて、截金(きりかね)に使う道具や材料が展示してありました。2〜3月には展示解説もあるそうです。
今年の東京国立博物館のラインナップを見たら、
2/23〜3/22 長谷川等伯
3/24〜4/11 花下遊楽図屏風
4/20〜6/6 永青文庫コレクション
7/6〜9/5 中国文明―中国河南省文物精華展
今年も何回も足を運ぶことになりそう。
参照サイト
東京国立博物館 東京国立博物館ニュース
東京国立博物館ニュース698号に、特集陳列「寅之巻」、特集陳列「歳寒三友と明末清初の書」、「洛中洛外図屏風(舟木本)」の記事が載っています。
メモ: 最寄り駅 JR上野駅公園口、JR鶯谷駅、メトロ銀座線・日比谷線上野駅
料金 600円(特別展の入場券で入館した場合は不要)
滞在時間 約1時間30分

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