2009/8/10

ハンス・モルフェス・フォン・フェルゼン  

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新しいシンクには名前があって、モルフェスといいます。

それまで、アルミサッシは? とか、換気扇はどれにしましょう?
と聞かれるたびに、僕の答えは
「一番安いやつ!」
あるいは
「換気扇なくていいです」
などと、設計士さんの設計の甲斐のない返答ばかりしていたのだったが、

シンクを選ぶときだけ、設計士さんはカタログを持って来ていた。

「このやつにしようと思うんですけど」と彼女が指差したやつは
「フェスカ」と名付けられていた。

それまで「なんでもいい」「安いやつで」(どころか、なくてもいい)だったのが、

そのものに「名前」がつけられると、急に気になりだす。

どれどれ。
カタログをひっつかんでみると、
一番安い合板の扉のシンクが「フェスカ」
木目風合板のシンクが「マッチ」
本当の天然木のシンクが「モルフェス」で、後者ほど価格が高くなる。

フェスカー?
マッチぃ?

なんかこう、なめた名前だ。
そんなんじゃ米とぐ気に、包丁きざむ気になれねえ。

そこへいくと、モルフェス。
「モルフェス? モルフェス!」
「いいねえ」(なにが、いいねえ、だ)
「だんぜんモルフェスっすよ!」

というテンションで、大枚はたいた! みたいな感じでフェスカを退けてモルフェス採用が決定。
設計士さんも急に発生した凡コバ家のテンションに驚きを禁じ得ない様子。

(大変な贅沢をした気になっている親子だったが、しかし、輸入家具店とかの大理石とかつかったシンクは一千万円とかするものであり、モルフェスなんてシンク界ではかなり下のランクだろうことをもちろん設計士さんは知っており、よくて「微笑ましい」くらいにみられていただろう)。

カタログだけの話で、別にシンクに「モルフェス」とかって書いてない。ロゴとかもない。
ただもう、(親子が)悦にいってモルフェスっすよ! とかいってる。
フェスカだのマッチだのを選ばなかった、その豪儀さを誇って。

で、その! モルフェスの内側にへばりついたカメムシ。
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