百・・・万歩・・・いや無量大数歩譲って《歪んだ性愛を描いた漫画で金を
儲けている人間》が卑しいと仮定して《歪んだ性愛を描いた小説で金を
儲けてきた人間》は卑しくないのかね?と思うんですけど。
まあそれはともかく。

基本的に全体を通して文化祭(での演劇)ネタに終始する訳ですが、
その合間にパンドラ(兵部)とブラック・ファントム(ユーリ)の暗闘が繰り
広げられます。
双方がヒュプノ(催眠能力者)で、幻覚を使って攻撃しあう訳ですから
ある種の《騙し合い》になる以上、能力の強弱よりも《駆け引き》の巧拙
が勝負のカギになる、ということなんでしょうな。それ以上にユーリ自身
が(ミラージュは勿論ファントムでさえも)そう望んでいたからこその
結果だったようで。
それにしても、ユーリが《仮死状態》にあるということは、最終的な
指令を伝える役目の人間がいなくなった訳でブラック・ファントムとして
は、実質的に活動停止、ということになるんでしょうか。
それとも、《お人形》を作る(ヒュプノで洗脳する)のはユーリにしか
できないけれど、指令を伝えるというか、コントロールするだけなら他の
人間でも可能なんでしょうかね、例えば前巻で登場した黒づくめの男
とか?
パンドラメンバー(大人組)もそれぞれ能力を活かして活躍してる(一部
に例外はいるが(笑))し、劇の方も最後にはちゃんと悠理が参加しての
大団円だし、考えうる中で一番きれいな話の締め方になってるんでは
ないでしょうか。
巻の最後に、次巻に続くエピソードが入っているんですが、女子中学生
をどう使えば、成年女性を《籠絡》できるのか、今までとは微妙に違う
期待感を持って(苦笑)2ヶ月待とうかと。
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