登筑波嶺為□歌會日作歌一首(并短歌)
鷲住 筑波乃山之 裳羽服津乃 其津乃上尓 率而 未通女壮士之 徃集 加賀布□歌尓 他妻尓 吾毛交牟 吾妻尓 他毛言問 此山乎 牛掃神之 従来 不禁行事叙 今日耳者 目串毛勿見 事毛咎莫 【□歌者東俗語曰賀我比】
鷲の住む 筑波の山の 裳羽服津(もはきつ)の その津の上に 率(あども)ひて 娘子壮士(をとめをとこ)の 行き集ひ かがふかがひに 人妻に 我も交らむ 我が妻に 人も言問へ この山を うしはく神の 昔より 禁(いさ)めぬわざぞ 今日のみは めぐしもな見そ 事もとがむな 【□歌は、東の俗語に賀我比と曰ふ】