万葉集の原文および読み下し文、現代語訳をアップしています。
2012/2/17
詠霜
天飛也 鴈之翅乃 覆羽之 何處漏香 霜之零異牟
天飛ぶや 雁(かり)の翼の 覆ひ羽(ば)の いづく漏りてか 霜の降りけむ
2012/2/16
黄葉乎 令落四具礼能 零苗尓 夜副衣寒 一之宿者
黄葉を 散らすしぐれの 降るなへに 夜(よ)さへぞ寒き ひとりし寝れば
2012/2/15
玉手次 不懸時無 吾戀 此具礼志零者 沾乍毛将行
玉たすき 懸けぬ時なし 我(あ)が恋は しぐれし降らば 濡れつつも行かむ
2012/2/14
秋田苅 客乃廬入尓 四具礼零 我袖沾 干人無二
秋田刈る 旅の廬(いほ)りに しぐれ降り 我が袖濡れぬ 干す人なしに
2012/2/13
詠雨
一日 千重敷布 我戀 妹當 為暮零礼見
一日(ひとひ)には 千重しくしくに 我(あ)が恋ふる 妹があたりに しぐれ降れ見む
右一首柿本朝臣人麻呂之歌集出
2012/2/12
詠芳
高松之 此峯迫尓 笠立而 盈盛有 秋香乃吉者
高松の この峰も狭(せ)に 笠立てて 満ち盛りたる 秋の香(か)のよさ
2012/2/11
秋山之 木葉文未赤者 今旦吹風者 霜毛置應久
秋山の 木の葉もいまだ もみたねば 今朝吹く風は 霜も置きぬべく
2012/2/10
芽子花 咲有野邊 日晩之乃 鳴奈流共 秋風吹
萩の花 咲きたる野辺に ひぐらしの 鳴くなるなへに 秋の風吹く
2012/2/9
詠風
戀乍裳 稲葉掻別 家居者 乏不有 秋之暮風
恋ひつつも 稲葉かき別(わ)け 家居れば 乏(とも)しくもあらず 秋の夕風
2012/2/8
白露乎 玉作有 九月 在明之月夜 雖見不飽可聞
白露を 玉になしたる 九月(ながつき)の 有明の月夜 見れど飽かぬかも
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