神保町のキャンディブーケ前を通りかかるといつもなにか欲しくなる。
一橋徳川家屋敷跡はビルになっていて当時みる影もない。
一橋徳川家は吉宗の四子宗男伊が江戸城一橋門内に与えられた家屋らしい。
学生の時によくお弁当を食べていた皇居堀のベンチ。久しぶり。
あの石はどの時代に
どんな人たちが
どんな思いで積み、壁としたのだろう。
この文様や
灯籠、門の装飾はどんな意味があるのだろう。
歩く度に見つめる箇所が増えてゆく。
金曜日は東京国立近代美術館が20時までやってる日。アンリ・カルティエ=ブレッソンを見よう。
写真は瞬時の動き
デッサンは思索
写真一枚でなんて衝撃だろう。
帰り道は足取りが遅くなる。
この部分を
この瞬間を
動く雲を
広がる空気を
『今』を、と。
ライターとしての取引先の新聞社を横切ってまっすぐに歩く。
神保長治よ、この地に立っている、かつて私が通っていた学校は私に何を残し、私は何を吸収したろうか。よくサボりに行っていたG号館のテラスを思い出す。
音も
色も
少し避けられる家に着いた。
平和だ。
出口も目的地も無い平和な日々。
虚ろい。

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