はらっぱまつりの出店者会議に参加して、そのまま国立に流れアリのアパートで最終電車ちかくまで飲んでいたらすっかり中秋の名月をみあげるのを忘れていた。美しい月がみえたらしい(夜半に大雨が降ったが……)。
もっとも、わが家の観月会は今日の満月に行うことに決めていた。そう、世に言う「中秋の名月」は必ずしも満月とはならない。旧暦の8月15日を十五夜と言い、その夜の月を中秋の名月と呼んですすきをそえておそなえをし、月を愛でる。もっとも十六夜(いざよい)という言葉もあるから今晩の満月に観月会をすることも一向に構わないだろうということにしておく。
午後からおそなえの団子をつれあいと娘は作り出し、夕食は「秋の実定食」と書かれたメニューまで娘は用意していた。おそなえは例年のように窓のところにおそなえ台を作る。団子は三角につみあげて、イモなどの秋野菜もカゴに入れてそなえる。愛飲する地元の純米酒そして花瓶に差したすすきをならべてセッティングは終りだ。
だが、あいにくの曇り空(夜半からまたしても雨)で満月の月も眺めることができなかったのだけれど……。で、以前に買っておいた月見の布巾が役にたったのだった。すすきもその図柄に描いてあるので、省略できたかもしれない。この月見の布巾は以前、「かぐや姫」の題材で詩を詠んだとき、唯一の小道具として使用したものだった(2007年秋)。

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