昨日は6月9日、69。そうこれをシックスティナインと読むのでなく、「ロック」と読んでこの日を「ロックの日」と定めているひとたちがいるのだ。全然認知されていないかもしれないが、たとえば昨晩ギリギリまで行こうかとまよっていた不謹慎シンドロームというバンドや、昨年は横浜のB.B.Streetでやったイベントには「ねたのよい」も出演したためにボクも呼ばれてがなっていた。
だから、どこにも出かけられなかった昨晩はヤードバーズや、ローリングストーンや、ボブ・ディラン、村八分をかけてウサをはらしていた。
これはゴロ合わせにすぎない。だからシックスナインという読み方もボクは個人的には好きだ。69の形は言うまでもなく男女の愛撫の体位だ。それも、お互いがクンニやフェラで愛撫しあう。セックスの体位の中では一番男女が平等で、攻撃性もなく丸く身体をまるめて調和している。
陰陽で言う陰陽図別名太陰大極図の形態に、一番似ている体位だ。最近分かったことだが、人工衛星から地球を写したサーモグラフィはこの勾玉が嵌め込まれたような陰陽図の形を描くのだそうだ。この中には古代中国の宇宙観のエキスがつまっています。
これを陰陽にからめて、聖徳太子が言った
和をもって尊しとする!
などという言葉で考えたら、どこからかクレームがくるでしょうか?
しかし、支配非支配、隷属の関係といった性幻想の介在しない体位というのは他には考えられない。「組み伏せる」という言葉があるが、このような愛よりも暴力や、支配原理や奴隷制度(「第三の植民地」と女性性を表現したリブの思想家がいた)がイメージとして先行するセックスではもっとも対等、平等な体位だとボクには思われる。
聖徳太子の言葉で言ったら、暴力的なセックスよりも和合のセックスの方が愛が成立する。所詮、人間もケモノではあるが、69の体位は人間にしか存在しない!
(ま、正確にいったら男女が対面して結びつくという体位自体も、動物ではありえないのであるが……。69はこの対面セックスの変形であり、愛撫、前戯の完成形かも知れない。もっと言えば同性でも愛が交歓できる体位だ。)
もうひとつ。シックスティナインは69――つまり1969年を表わす場合がある。1969年。アメリカのウッドストックで狂熱の三日間があった年。おそらくジャニスとジミヘンが代表したフラワー・チルドレンのサイケデリックな音楽性が完成した年。ヒッピー・ムーブメントと「LOVE&PEACE」が頂点に達した年。日本では全共闘による「叛乱の季節」がピークに達し、東大安田講堂が機動隊との攻防戦の果てに落城した年。それが、もうひとつの69。シックスティナインだった。
そう、あなたは、どの記念日として6月9日を選びますか?

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