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どうも、こんにちは。
今月の弊サイトは、鬼の話と東福寺とその周辺の話ばかりでしたが、久々の
『京都妖怪探訪』シリーズは、東福寺周辺の地域に伝わる鬼伝説を追いたいと思います。
『今昔物語集』にも遺されている「羅刹谷(らせつたに)」という谷の話。
この谷には昔、
「羅刹(らせつ)」が棲んでいたと伝えられています。
「羅刹」とは人喰い鬼の一種で、非常に凶暴な性格で、男は醜く、女は美しいとされています。ここ「羅刹谷」には絶世の美女の姿をした羅刹女が棲んでいたそうです。
ある時その谷に、
比叡山の高僧・
“恵心僧都”源信(げんしん)が足を踏み入れました。そこへ谷の奥から、一人の美女が現れます。
「ああ、こいつは羅刹女だな」と源信は思いましたが、「これも仏のお導きだろう」とその美女に誘われるままに谷の奥へと入っていきます。
谷の奥にある住処へ辿り着くと、羅刹女は本性を現して源信に襲いかかろうとしましたが、最後まで傷ひとつつけるどころか、触れることすらもできず、源信は無事に谷の外へと生還できました。
こんな話ですが、人並み外れた意思力と、厳しい仏道修行で得た神仏の加護があったからこそ、羅刹に遭っても無事でいられたのでしょうが、我々のような凡人ならば、羅刹に力にも色香にも抵抗できず、ほぼ確実に喰い殺されているだろうな、と思います……。
様々な資料で調べた結果、その「羅刹谷」は、現在の東福寺の北側、
東福寺と
泉涌寺との間にあった渓谷だっとそうです。
東福寺に寄ったついでに、その場所へも行ってきました。