どうも、こんにちは。
シリーズ第393回と
第394回、そして
シリーズ前回に続いて、今回も千本通り沿いのスポットを紹介します。
今回は京都でも特に有名な妖怪伝説のひとつとその舞台となったというスポットを紹介します。
上品蓮台寺(じょうぼんれんだいじ)。
その境内に今もひっそりと立つ「源頼光朝臣塚」。「蜘蛛塚」とも呼ばれています。
この蜘蛛塚には、次のような伝説が遺されています。
平安時代の頃。
大江山の酒呑童子退治などでも有名な武将・源頼光が原因不明の熱病にかかり、床に伏していた時のこと。
ある夜、頼光の枕元にあやしげな法師が現れ「もっと苦しめ」と言いながら、襲いかかってきます。
頼光は名刀「膝丸」で法師を斬りつけると、法師の姿が消えます。
翌朝頼光は、配下の四天王(渡辺綱、坂田金時、卜部季武、碓井貞光)に消えた法師の追跡を命じます。
斬られた法師が流したと思われる血の跡を辿っていきますと、北野の森の中にあった大きな塚に辿り着きました。その塚を掘り返してみると、中に巨大な蜘蛛がうごめいていました。
四天王がその大蜘蛛を退治し、遺骸を賀茂川に晒しました。
すると頼光の熱病はすぐに治りました。
鬼や妖怪を退治した武将としても知られる源頼光ですが、この土蜘蛛退治伝説は、頼光の伝説の中でも「大江山の酒呑童子退治」と並んで有名な伝説で、能や歌舞伎の題材にもなっています。
また、土蜘蛛という妖怪自体も非常に有名な妖怪の一人となっています。
古典芸能だけではなく、
漫画・アニメ『ぬらりひょんの孫』や、
アニメ・ゲーム『妖怪ウォッチ』など、現代のエンターテイメント作品にも強力なキャラクターとして登場するなど、土蜘蛛は現代でもメジャーな妖怪のひとつであり続けています。
そんな有名な妖怪と、妖怪伝説の舞台を、
『京都妖怪探訪』シリーズとしては見逃すわけにはいきません。