京都・祇園の一角にひっそりとたたずむ墓所。
中には、大きな樹が2本。
この墓所は、平安時代末期より「日本の大魔縁(大魔王)」と恐れられた崇徳上皇(1119〜1164)の霊が眠るという場所のひとつ、崇徳天皇御廟です。
1156年の保元の乱に敗れて讃岐の国に流罪。
そこで絶望と悲憤の中で、その悲劇的な生涯を終え、死して「日本の大魔縁」と呼ばれる大怨霊となった人物です。
崇徳院(上皇)がどのような人物か、彼が怨霊となるまでに至った悲劇的な半生について詳細は、
『シリーズ第6回・白峯神宮』をご覧ください。
この廟の立て札に書かれている「御由緒」によれば、上皇に寵愛された阿波内侍という女性が、上皇の遺髪をもらいうけ、この場所に塚を築いてその霊を慰めたのが始まりとされています。
にぎやかな祇園の中でも、この辺りは比較的ひっそりとしていて、一種の物悲しさというか、昔の言葉でいう「あはれ」を感じさせます。
なお、ここは
シリーズ第5回でとりあげた安井金比羅宮のすぐ近くにもあります。
そして実は、
京都・東山花灯路の際、及び
圓徳院を訪れた際に、ここの夜の姿と夜桜をも見てきました。
今回はその夜の姿も紹介したいと思います。