2008/6/17

前人未到へのカウントダウン  プロ将棋鑑賞会

昨日、6月16日(月)から山形県天童市の「天童ホテル」において
第66期名人戦第6局が行われた。

「羽生善治二冠(3勝2敗)」VS「森内俊之名人(2勝3敗)」

現在、同時進行で棋聖戦5番勝負が、羽生・佐藤(康)の間で行われているが
この対戦は、何が飛び出すかわからない面白さがある。
しかし、羽生・森内両棋士の番勝負は、お互い何か示し合わせたような
テーマが存在するような、気がしてならないのである。
そう、まるでお互いが持ち寄った共通のテーマを、盤上で研究するかのように・・・。
今回は、それが相掛り引飛車棒銀のようなのである。
しかし将棋は千変万化とは、よく云ったもので
同じ戦法でも指す人間が異なると、指し方も異なってくるもの。
今回、先手番を持った羽生二冠は、▲6六角と軽く捌きに出た。

クリックすると元のサイズで表示します

飛車取りであるこの角は、△同角と取るのが普通であるが
森内名人の指し手は、意表を突く△8二飛であった。
これは△3四歩を間接的に守っていた、飛車が下がることで
▲4五銀などの、攻めを誘発することになる。
森内名人の受けは、「鉄板の受け」と呼ばれているが
その受けで、羽生二冠の攻めを跳ね返してやると云うのだ。
これは積極的な受けであり、第3局から一貫している方針のままである。
勿論、来いと云われて引き下がる羽生二冠ではない。
コチラも積極的に打って出て、焦点は2三の地点の攻防となった。
しかし、お互いに自陣に手放した角の働きの差が、形勢の差となって表れてきた。
やはり羽生二冠の放った角の方が、敵玉を直射していて
潜在能力が高かったのだ。

クリックすると元のサイズで表示します

図は先手が攻めの銀を捌いたところだが、ここでは飛車を引いても十分だが
羽生二冠は、激しく決めに出た。

▲5三桂成

成桂を取る手は、▲3四飛から飛車交換を迫られてダメなので
森内名人は飛車の方を取ったが、▲5二成桂と金を取って羽生二冠の勝勢となった。
森内名人は働かなかった角の顔を立てるような、奇手△6五角を繰り出したが
一度ついた差は、ついに縮まる事はなかった。

クリックすると元のサイズで表示します

午後8時10分、総手数105手。
△4四玉と逃げても、▲7二角成で受けがない上に
先手玉に詰みがないのでは、投了も止むを得ない。
そして、ここに羽生善治19世名人が誕生したのである。
これだけの棋士が名人位だけには縁がなく、周りは随分ヤキモキしたものである(笑)。
しかし鬼門の永世名人位を獲得して、これで残すは永世竜王位のみ。
その竜王戦も決勝トーナメントに進んでいるので、年内の永世七冠も夢ではない。
前人未到へのカウントダウンは、いよいよ始まったのだ。
そして永世竜王位はもとより、渡辺−羽生の七番勝負を見たいファンも多いだろう。
この勢いで、是非実現して欲しいところである。
0



トラックバックURL

トラックバック一覧とは、この記事にリンクしている関連ページの一覧です。あなたの記事をここに掲載したいときは、「記事を投稿してこのページにお知らせする」ボタンを押して記事を投稿するか(AutoPageを持っている方のみ)、記事の投稿のときに上のトラックバックURLを送信して投稿してください。
→トラックバックのより詳しい説明へ



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ