朝晩の冷え込みが強まってきました。乾燥が進み、昼間の快晴が放射冷却をもたらすからでしょう。朝の早い時間は、学校近くのカーブミラーが曇るようになりました。晩秋から初冬に足を踏み入れた感じです。季節が移っていきますね。
明日は埼玉を始め、いくつかで大切な一戦が用意されています。加えて、ジャパンはポルトガルとの対戦です。ここでデビューする初キャップメンバーも発表されましたね。アイルランド戦が力負けだっただけに、注目の一戦です。
さて今日はリュウセイです。一貫組ですが、中学時代は野球部でした。私は、リュウセイの中学時代、その野球部の監督と同じ学年の主任をしていました。そのためその監督のところにやってくるリュウセイを見て、内心で「うちにほしいなぁ」とつぶやいていました。それを口にしなかったのは、いかにも野球大好き少年に見えたからです。挨拶もしっかりしていて、監督にも忠実でしたから、そのまっすぐな人柄のまま、高校でも野球を続けるのだろうと疑わなかったものですから、声をかけることを遠慮していたのです。そんなリュウセイの入部は驚きもありましたが、喜びの方が大きかったですね。
ラグビーはとにかくしゃべれないといけない、というのが、私の持論です。黙々と取り組むことを否定はしないのですが、できることからしゃべれた方がいいのです。その声が遠くまで通ると尚いいのです。リュウセイの最大の武器はこれでしょうね。とにかくよく通る声です。それを惜しみなく、グランドに響かせ続けてくれました。これが何度、挫けそうになっているチームを救ったことでしょう。リュウセイの声を聞いていると、自然と「大丈夫」という気にさせられるのです。そうして鼓舞されたメンバーは、同期ばかりではないはずです。
私は国語という教科を受け持っていることもあり、言葉と声の力を信じています。声のかけ方一つで、相手を勇気づけ、奮い立たせることができます。言葉を適切に選ぶことで、相手の信頼を勝ち取ることもできます。その意味でリュウセイの持っている声は、ラグビーにかぎらず、これからに確実に生きていくはずです。ここに適切な言葉・表現が身につけば、百人力ですね。それだって練習中に後輩に説明する様子からは、片鱗は見えていますよ。磨くかどうかは、リュウセイ次第です。
プレイに関しては、さすがに野球経験者の器用さです。うちだからプロップでしたが、本来ならロック向きかもしれません。スピードはほどほどですが、運動量は豊富ですから、3列もできなくはないですよね。それでもプロップのできるフォワードは偉大なのです。チームの屋台骨ですからね。これからも自分の所属する場所で、屋台骨であり続けてほしいと願っています。土台にリュウセイがいると思えば、安心できる人が大勢いるはずです。そんなリュウセイに期待しています。

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