穏やかな大晦日ですね。風もなく、日差しのぬくもりが感じられる一日でした。明日も初日の出が期待できるようです。
オノジのところに行ってきました。右足を上げた状態で、寝返りが思うように打てず不便そうでしたが、さすがに2度目の入院で前回の痛みに比べたらと笑っていました。この前向きな姿勢に救われます。本部にいて、あまり危ないシーンに見えなかったので、オノジに自己分析をしてもらいました。どうやら大きな相手にタックルに行き、当たり負けて自分の軸足が自分の体重に負けてしまったようです。結果的に脛骨、腓骨の双方を傷めて、手術となりました。そんなわけで年越しも病院です。それでも前向きなのです。それがありがたいです。
そんなオノジですが、このオノジがうちのクラブのある側面を象徴しています。それは、男はきっかけがあれば変われるということです。中学3年のオノジは、クラブなどやるつもりはサラサラなく、帰宅部の予定だったそうです。それでもフジやマサキが粘り強く声をかけてくれて、キムが最後の決定打だったようです。あの頃のオノジやキムを知っている人は、彼らがどれほど劇的に変わったのかを知っているはずです。変わってからのオノジを知る人には信じられないほど、無気力なオノジがいました。
あのオノジと、今のオノジがにわかには同じ人物とは思えないほどです。それほどに男はスイッチがあれば変わるのです。そしてそのスイッチが、もしもラグビーにあるのならこんな嬉しいことはありません。それほどにラグビーというスポーツには、目に見えない教育力があるのです。ごまかしの利かないスポーツを逃げずに向き合うことで、自分を知るのです。そしてチームや仲間を大切にするからこその、自己犠牲が可能になります。チームのためになるのならと、どんなことも引き受けられるのです。それを知っていれば、社会では十分にやっていけます。自分の価値を知っていれば、自分の活かし方も社会の中で分かるのです。それがラグビーなのです。私がいつまでも、どんなに忙しくなっても手放さないのは、そんな若者の背中を押し続け、あんなに一途で真摯な姿勢に勇気と希望をもらえるからです。
今年も一年間、助けられたのは私です。多くの選手たちにお礼を言われるのですが、むしろお礼をしなければならないのは私なのです。メサキの引退試合に立ち会えたことも、明学や成蹊の入れ替え戦(結果とともかくとして)に会場主任として立ち会えたことも、とにかくそんな場面で部員、卒業生、保護者に声をかけてもらうたびに、私は感謝をするのです。今はサクライ先生にグランドは任せてしますし、イヌ先生、ホリグチ先生がそのサポートをしていて、私は本当に何もしていないにもかかわらず、変わらず私に声をかけてくれたり、グランドで迎えてくれる人たちがいます。それにすっかり甘えて、今もグランドに顔を出させてもらっています。本当にこの一年、お世話になりました。また来年もよろしくお願いします。
今日、オノジにお守りを届けました。チームにいくつか「勝ち守り」を渡してあるのですが、これはオノジ専用です。オノジが己に負けるとは思わないのですが、それでもこれから手術にリハビリと続きますので、彼に必要かなと考えました。オノジが帰ってくるまで、チームを残りのメンバーで守らねばなりません。県大会でも良い報告ができるように、不在のメンバーいるときほど、燃えましょう。明日もオノジのところに行く予定です。
それでは皆さま、良いお年をお迎えください。


6