思い返せば、中学一年生の時から接点はあり、ナカバがここで三年間を過ごす運命だったのだと、今だから納得できます。この内容が理解されるのは、本当に一部の方だけでしょうが、それでも今となっては縁というものの不思議を知るエピソードです。このブログの一つの価値かも知れません。
中学2年生のナカバは、まだまだ反抗期の名残もあったようで、担任を初めとして学年の先生の指導に素直に従えない時期だったのです。それでもクラブの終わりに、定期試験の勉強はしっかりやるのだと伝えると、素直に頷いていたナカバを思い出します。どうしてか一貫して、ナカバは私にとにかく従順でした。それは今の卒論にも通じるのかもしれません。
フロントを組んだ選手は誰もが一度は考えるのです。自分がフロントではなく、セカンドや3列にまわるとどうなるのかについてです。シュンスケなどはそれ故に、フロントからナンバー8になりました。ナカバはどうであったのか、真剣に聞いてみたことはありませんでしたが、それでも自身の機動力については疑問があったのか、肉体改造を試みます。外見が劇的に変わるのではなく、中から変わっていき、確実に身が詰まっていくのです。そうすることで確実に機動力が上がります。そうなることで元々突破力があることに加え、どこにでも攻撃、防御に加われるだけのスタミナもついてきます。結果として、この点がこのチームの強さにつながるわけです。一列から三列までそれぞれにペネトレイトがいれば、チームとしては盤石です。そのために欠かせない存在であったわけです。
私の同級生にも釣りに酔心がいました。何度か釣りに連れて行ってもらったものです。釣りが難しいのは、趣味でなかなか終われないということです。どうしてものめり込むのです。それを知っているだけに、彼がラグビーへと傾倒していく姿はクラブに対してだけではなく学校生活に前向きに向かっていくに重なるわけです。そこにナカバの覚悟が見られます。もちろん釣りを捨てたわけではありませんが、本気であることだけには変わりません。
もう一つナカバに関して忘れていけないのは、面倒見の良さです。言葉が柔らかいわけではありませんが、それでも後輩にかける言葉の一つひとつは愛情に満ちています。厳しい言葉も多いですが、それは自身の経験も含めて決して乗り越えられないものであるからこそ、かける言葉です。それに発憤される後輩たちであってほしいものです。
体型からしてもスクラムには並々ならぬこだわりがありました。天性の負けず嫌いがここにも顔を出します。グッと集中する顔は一見の価値ありです。まだまだ伸び盛りです。それは熊谷のAグランドで証明されました。だからこそ釣りとの天秤に迷うかもしれませんが、まだまだラグビーを続けてほしいと願っています。そして私を釣りに誘ってください。のんびり語らいながら、釣り糸を垂らしたいですね。そんな日を楽しみにしている今日この頃です。

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