今日の試合を見ていただいた保護者、そして3年生の目にどのように映ったでしょうか。おそらく賛否が分かれるのではないかと思っています。可能性を見るのか、落胆と感じたのか、微妙なラインです。
技術的にはとにかく未熟です。それは例年と比べると、比較にならないほどです。知らないことだらけですし、できないことだらけです。それはそれで問題なのですが、見方を変えればそれができるようになったらどうなるのかは楽しみなわけでもあります。知らないことは知ればいいですし、できないことはできるようになればいいのです。ただここで一つ問題があり、それではどうして今まで知らず、そしてできずに平気でいられたのかが気になるのです。
つまり次代のチームにとって、もっとも重要なキーワードは「主体性」なのかもしれません。自分たちから何かアクションを起こすと言うことが、ほとんど見られないのです。それはスポーツアスリートにとって致命的ともいえます。誰かから教わるまで待っている、そんなチームに成長は期待できません。この根っこを変えていかなければならないかもしれません。管理されて、自主性のないチームは自立できませんからね。
そしてもう一つ、経験のある選手が本当にはラグビーを理解していない、チームを理解していないことも露呈しました。今日のような暑いグランドで、自陣から果敢にバックスが展開すると言えば聞こえはいいですが、これで一気にゲインラインを突破して敵陣に入れるのならともかく、パスの精度も悪い中で長く自陣にとどまっていることがフォワードをどれほど消耗させるかをバックスの司令塔たちは理解していません。フォワードは自分たちの強みは何かも理解しないまま、ボール持ってはいけないメンバーにも渡してボールがこぼれたりしているわけです。どちらにしても、互いに信頼関係が構築できるような試合ではありませんでした。
当面の間、1年生は個のスキルアップと、ルールを含めた試合の理解が必要です。そうしなければ、今日のようにグランドに立っても責任感のないパスや、タックルを繰り返すことになります。一方の2年生は全員で次のチームはどのような戦術を持って戦うのか、そのためにはどのようなスキルを磨く必要なのかを考えねばなりません。
司令塔と呼ばれるポジションには、プレイ以外の重要な役割があります。それは試合を組み立てるというものです。時間帯、エリアに応じて、どのように試合を組み立てるのかは、彼らの責任です。自分たちのしたいことだけをしてもうまくいくわけはないのです。さらに相手はどのような防御をしてくるかのに応じて、攻撃のオプションや発想を変えるべきですが、ただ機械的にボールをさばいているハーフ団に落胆するばかりです。しかも厳しいことをいうようですが、今日のようなガッチリと詰めてくるチームに対してスクラムハーフがボールをつかんで引いて投げるような緩慢なさばきでは、スタンドオフはプレッシャーを受けて、バックスがやりたいことなどはできるわけがないのです。楽で、その場しのぎの練習がこうしてチームの大ブレーキになっていることを自覚しましょう。ペナルティからのしかけの判断にしても、ハーフがチームの要であることの責任を感じましょう。
足をつらせたり、疲れから体を投げ出して痛めたりというのも、注文のつくところですね。すぐにはすべての課題が解消されるとは思っていませんが、もう少しクラブをやる者としての責任を痛感して、グランドに立ちましょう。たった者は、すべて等しく扱われます。その割りに自覚のない者が多かったと感じた今日でした。
敢えてこれをみんなの可能性としておきます。ですが、挑戦しない者には、それは可能性ではなく、不可能性でしかないことも知って、明日のグランドに立ってください。

4