トップリーグが始まって10年目の節目の年に、大記録が生まれたという感じです。まずはリーグを全勝で勝ち上がり、その後のプレーオフも制したのです。これがこれまでになかったことなのです。やはり長いリーグの間には、どうしても一つ二つの取りこぼしがありそうなものです。これまでの王者たちもその意味では隙がありました。それがなかったということは、それは何よりも選手層の厚さを意味しています。
昨日のゲームも、東芝の攻める時間もありましたし、トライラインに至ったときもあったのですが、結果としてノートライでした。運が味方をしなかった点もありましたが、サントリーはトライを挙げているわけですから、やはり今年のサントリーは盤石でした。ロースコアの決着は予想されたところですが、それでも東芝が一つも取れないというよりも、東芝に一つも取らせなかったサントリーを称賛すべきでしょうね。このままなのかどうか、最後の日本選手権が楽しみになりました。
互いに特徴の異なるチーム同士の対戦でした。そのためどれだけ相手の強みを封じ、自チームの強みを発揮するかが、勝利の鍵となります。その意味で昨日の試合もそうした姿勢は見られました。前半の東芝の防御は、それまでのアグレッシブに出て行くのとは異なり、どちらかといえば網にかけようと面で守りました。足場の悪いグランドコンディションで相手のミスを狙ったのでしょう。思いの外、相手の攻撃が性格であるため後半は前に出るこれまでの手法に戻しました。そうすることでターンオーバーの機会も増えていきました。
サントリーは東芝のモールに対する対策をしてきました。そのためゴール前をしのぐことができたのです。そこに固執せずに東芝が早くボールアウトしてしまったのが惜しまれます。とにかくああした試合から学ぶことは大きいのです。もちろんレベルは違いますが、それでも参考にすべきことがあります。試合は時間と共に動いていきます。そこに的確に対応したチームは最後まで強いということです。
サントリーに死角がないわけではありません。後半、防御の時間が長くなった際に続けて2枚のカードが出ました。防御には甘さが残ります。ということは、相手チームはとにかく攻撃時間を増やすことで攻め入る隙が出てくる可能性があります。そんなことを一致して戦うことで勝機が出てきそうですね。どんなチームも完璧はありません。必ず弱点はあるものです。それを見つけ、共有し、統一感を持って戦えるチームが本当に強いのでしょうね。

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